こんにちは。アイ・ティ・イノベーション能登原です。
第1回目は、『DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義』、第2回目は、『なぜDXを進めなければならないのか』ということに関して述べましたが、今回は、誰(Who)がリーダーシップを発揮してDXを進めるべきなのかについて述べたいと思います。
このような変革を起こすためには、当然ながら社長、事業部門を管掌する役員が長期的なビジョンに従い、強いリーダーシップを発揮しなければなりません。
今後、常時オンラインが普通になり、顧客とはデジタルで絶えず接点があるというアフターデジタルの世界では、様々なデータが取得でき、そのデータを利用した様々なサービスが生まれます。
他社との競争優位を維持するためには、このような社会の変化に追従し、DXを加速しなければなりません。しかし、このような取り組みが短期的に利益を生むことは稀であり、長期的な視野に基づく投資が欠かせません。
このような理由から、社長、事業部門を管掌する役員のリーダーシップが必要となります。
実際のDXプロジェクトは、新しい事業の創出や業務の変革など様々ですが、その実行のために強力なプロジェクトチームを編成する必要があります。DXプロジェクトは、システム再構築のプロジェクトと比較して、大きな変革を伴うため、企業・組織の多くの部門やパートナー企業までを巻き込んだ体制にならざるを得ません。
よって、そのプロジェクトを率いるリーダーは、新しい変革を起こす先見性、チームを引っ張る熱意、マネジメント能力などが欠かせません。
そして、企業の中の情報システム部門は、デジタル技術を利用する専門家として、DXプロジェクトに深く関わっていかなければなりません。レガシーシステムの保守・運用を主として安全地帯に留まるのではなく、チャレンジ精神のあるメンバーを選抜してDXプロジェクトに参加させることが大事なポイントです。
システムに関連する貢献のみならず、自社の事業や顧客のことを考えて、新しい変革に主体的に関わることで、参加メンバー自身も成長して行くと思います。最新のAIやデジタル技術を外部のパートナーから調達するときの目利きにもなり、レガシーシステムとの連携についての知見も持っているので、様々な場面で活躍できると思います。
情報システム部門は、アフターデジタルの世界では、益々重要な役割を占めていくのではないでしょうか。
さらには、新しい事業の創出や業務の変革を実現するには、組織横断的に俯瞰して、全体最適を考えていくことが要求されるため、長期的には経営者のリーダーシップとともに、自由闊達に議論できる企業風土を育むことも重要になると思っています。