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【連載:コロナショックをチャンスに】その1 テレワークで分かったこと


 コロナショックをきっかけに、テレワークが一気に進んだ。最初のうち、私は会社に行かないという罪悪感が、どことなく心の中にあったが、1週間もすると心も体も慣れてくる。(家族も慣れてくれるとよいのであるが・・・)
 テレワークは、欧米では数年前から当たり前になっていたが、日本では普及していなかった。それが、コロナショックを契機に、かなり進んだ。なんだ、やればできるじゃないか!1カ月ほど経つと少しずつ工夫して、生産性も上がってくる。画面やネットワークを通して、見えてくるものがある。 我が社では、現在90%の社員が、テレワークで仕事をしている。
 直接会って話をしないと本当の仕事はできないだろうか?仕事をするということは、どのようなことなのか?事業に貢献するということは、自分にとってどのような意味を持つのだろうか?会って、集まって仕事をするのが一番よいと多くの人が感覚的に感じていたことが、180度ひっくり返ってしまった。大抵の仕事はテレワークで済んでしまうことを、身を持って分かったのだ。

何が、テレワークを通して分かったのか?
・目的の明確化、計画・準備が、重要で必要
・一日の時間のメリハリをつける(通勤とは違う心の体力が必要)
・自分の力で仕事を考え、はっきりと自分の意見を示さなければならない
・通勤時間がなくなるなど時間が有効に使える(有効な時間が増える)
・コツを掴むと生産性がかなり高くなる
・地位や、責任にかかわる忖度は、少ない
・ただ会社に来ていただけの人は、存在感がなくなる
・論理的に会話ができない人のWeb会議への参加は難しい

 会社を大きな池に例える。皆が忙しそうに見えていたのが、テレワークにより、仕事だけに費やす時間がはっきりしたことで、誰が、どのような意見を持ち、どれぐらいの実行力があるかが、はっきりと見えてしまう。また、今まで、場所や時間的な制約に配慮して行ってきた仕事のやり方が古臭く思えてくる。ロケーションの異なる地方、海外を巻き込み、チームで仕事をするのが、当たり前だと誰もが思えるようになった。これは、大きな進化だ。アフターコロナでもテレワークを採用することにした。

 でも、一方で、集まって仕事や遊びをすることの本当の意味を考えるようになった。

 私は、テレワークは、我々に2つのことを教えてくれていると考えている。

1つ目は、一人のプロフェッショナルとしての仕事ができるかどうかを試すこと。
2つ目は、場所や時間や地位を超えて、チームでの仕事はどうすべきかを分からせることだ。

仕事は、できるだけテレワークで片づけて、皆で集まって楽しいことを企画しよう!

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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