~ 何が生き方の真実か ~
会社も二十歳になり、私自身も六十三歳になった。決して長いとは思わないが、ここらで、生き方の整理をしておきたい。四十三歳でアイ・ティ・イノベーションを起業したが、そのころに比べて自分が大きく成長したとは思わないが、物事を少しはシンプルに考えられるようになってきたようだ。経営とは、自分で生んだ得体のしれない子供を育てる活動に似ている。時には、我が子は調子が悪くなり病気になることもある。また、なんだか絶好調で、何でもうまくいくこともある。不思議なもので、会社という自分の分身の気持ちが分かるような気がする。法人というくらいだから、人の性格を会社は持っている。だから、子供を育てるように大切に厳しく育てなければならない。会社にとって大切なことは、「会社の性格」である。これが間違った性格になると何をやってもうまくいかなくなるし、性が良ければ、困難も乗り越えられる。
現時点で、人が生きるために必要な“ことば”について、私の理解を披露しよう。どれも生きる上で大切なものであるが、若いころに比べて認識が変化してきた。まだまだ、今後も変化するだろう。
【 生き方 】
昨日の自分を少しでも超える。考え抜き、工夫してしぶとく生きる。
(結局は、こういうことか)
【 目的の作り方 】
夢、志、大きな目標と身近な目標。妄想が必要。
【 家族 】
なくてはならない存在。
(長期的にみて、家族に何ができるかが重要)
【 友達 】
友達に使われるのがよい。大切な友達のために何ができるか。
(ギブ・ギブの精神を持つこと)
【 仕事 】
やりがいであり、生きがい。人生そのもの。
(金の対価としての労働や時間の切り売りでは決してない。長期的に打ち込めるもの)
【 余暇 】
高い成果を上げるためには、必要なもの。若いころより少しは、うまく使えるようになった。
【 体を動かす 】
頭を休ませ、体全体を切り替える
【 お金 】
どう稼ぐかより、どう使うかが大切。使い方は、難しい。もう少し修行が必要。
【 心 】
いつも平常心で、時には、熱く、でも決してキレない。
【 何を後世に残すか 】
生き方やノウハウだろう。
人は歳に関係なく成長すると、私は思う。成長するならば、だれでも変化する筈だ。生き方とは、何か固定的なものを見つける作業ではなく、自分の力で自分を変化させることだと私は考える。
ゴルフ国内メジャーの試合である日本プロ選手権で、谷口選手の優勝には感激した。50歳での優勝は快挙である。パワーも飛距離もある若手が台頭する中での一打差を追いついてからの、2回のプレーオフでの優勝は、気力と経験、しぶとさが、若手の勢いを超えていた。最終日に限界を超えるような力が出た。きっと、谷口選手にしか分からない凄い何かを学んだに違いない。
私も、当分のあいだ現役を続けようと思う。業界が違っていてもシニアで頑張っている人がいるからだ。