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硬さと軟らかさの融合


このブログシリーズは主に企業(エンタープライズ)システムのソフトウエア・アーキテクチャーを対象にしてきた。そんなわけでどうしても話しが固くなりがちである。基幹系システムともなればなおさらだ。理由の一つは”セオリー”と言われる枠組みで閉じた世界のみを対象とする事にある。コンピュータ・システムを手堅く間違えようのない課題解決に用いても、曖昧で正解が幾つもあるような柔らかい課題は全て人間系での対応と割り切る。これでは既に20世紀に作られたシステムからあまり進歩がない。企業システムにおいても新たなITの恩恵を受けて然るべきだ。

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企業システムの未開拓ゾーンは、この”柔らかい部分”の課題解決にある。少し具体的に挙げてみよう。データの世界では構造化+非構造化へ、システム間連携は密結合+疎結合へ、コミュニケーションの世界では1:NからN:Mへ、アルゴリズムは線形+非線形へと、今まで取扱えなかった課題がITの急速な進化によって幾つも可能になりつつある。人工知能も、あまり騒がなくなった今日が普及期の入り口かもしれない。

そして、これらの軟らかいシステムは既に存在する硬いシステムと連携して作動することで、はじめて企業システムにパラダイムシフトをもたらす。一例を言えば、ある製品の在庫基準値を下回ったら、”SCMシステム”が生産計画部門の社内SNSに欠品警報を呟くとか、外勤セールスのモバイル画面にBig-Dataに基づいた顧客の購買ポテンシャルと訪問優先度が表示されたり、またガチガチの業務システム群をBPMで統合しコントロールしたり。これらは10年前は難しかったが、現在のITでは十分に可能である。要は普段からアイデアを練りつつ、それに取り組む企画が書けるかどうかだ。

これからの 企業システムのアーキテクチャーは、普遍的な部分と進化して行く部分の両方のバランスが必要ではないだろうか。ロボットが19万8千円(保険料別)で買えるようになった昨今、時代遅れの企業システムに直面した新入社員はどう思うだろうか?これが会社なんだと自分に言い聞かせなさいと言うのだろうか。新入社員に恥ずかしくない社内システムにする為に社内情報システム部門がやる事は山ほどある。基幹系システムの再構築やバージョンアップも必要だか、もう一方で企業システムへのコンシューマITの積極的な取り込みが急務である。またソフトウエア従事者も、「エンタープライズはつまらない」と見捨てずに、つまるような夢のある提案をしてみてはどうであろうか。。。。

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中山 嘉之
1982年より協和発酵工業(現、協和発酵キリン)にて、社内システムの構築に携わる。メインフレーム~オープンへとITが変遷する中、DBモデラー兼PMを担い、2013年にエンタープライズ・データHubを中核とする疎結合アーキテクチャの完成に至る。2013年1月よりアイ・ティ・イノベーションにてコンサルタントを務める。【著書】「システム構築の大前提 ― ITアーキテクチャのセオリー」(リックテレコム)

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