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データの思考(さらに続き)


1 はじめに

毎日暑い日が続いている。正直厳しい・・(ご自愛ください)
私の場合、おそらく3~4年前までは、夏の暑さをエネルギーに変えるだけのパワーがあったのだが、ここ数年は息苦しささえ感じる。ただそれでも、8月というと少しワクワクするのは何故だろう。別に長期休暇を取るわけでもないのに、気持ちが高まる。学生の気持ちが今でもある?のか。いい加減成長せねば・・・

さて今回は、前回の補足をしたい。戦略的データの活用において、課題やリスクとなるであろうことは事前に押さえておく必要がある。それを述べてなかったので整理したい。

2 実際に導入するにあたって

ITストラテジストとしての重要な役割に「戦略を策定し、実施結果を評価」というのがある。これはIPAの定義に明記されている。

策定するのはいいがそれだけで、後はよろしく・・というのは許されない。あと個人的には、少なくとも導入を支援していくことも重要であると考える(若干、PMO的な活動ではあるが)。

さすれば、まず前回思いっきり

・立案し、実施した施策に対する経営者、事業責任者からの評価と改善点
(略)

としたのは良くなかったと思い、補足する。

教科書的だが、KPIは定量的なのと定性的なのでおさえたい。前回の例だと「週末夜間における当該商品の売上個数増加」や「ミニブログ広報と売上個数の相関性(相関係数)」などが、定量的KPIとなりそうである(*1)。また、定性的な視点では「人材育成において、外部要員からのスキルトランスファーができ、目に見えて統計分析の知識が溜まっていった」というところか。

あと、導入の支援にも少し触れたい。つまりは要件定義とユーザー教育における役割である。特に前者については、データの「鮮度」の適切性を考える必要があろう。

前回の例であれば、POSデータもミニブログデータもほぼリアルタイムに収集できると想定し、鮮度については特に触れなかった。だが現実的には、日次バッチが必要だったり、適切なタイミングでインターフェースされない場合もあり、特に鮮度の検討は必要であろう。

多くの場合は、ある程度の割り切りが必要で、何のデータがどの程度「鮮度ピチピチ」であればいいのか、きちんと検討、整理する必要がある。もし調整がつかない場合、アジャイルというか、設計を進めながら検討するやり方もあろう。

試験解答的には、「最初からその想定で進め、拡張するアーキテクチャを前提として進めるべきだった」– という改善点を記述するかもしれない。進め方や将来的拡張性についても、企画の時点でシナリオ化できればいいかと。

3 「感動」する日常

以上、3回にわたりしつこく戦略的なデータの活用について語ってきた。本当はもっとデータの可能性について語りたいのだが、しつこいので止める。ざっとでも読んでいただいて、少しでも参考にできそうなポイントがあれば幸いであります。

ところで最近、どういうときに「感動」は沸き起こるのだろう?どういうときに人は「感動」するのだろう?というのをちょっと真剣に考えている。もちろん、当社の行動指針が

感動を呼ぶ成果の創造

というのもあるのだが。科学的に「感動」を説明できないか、などと考えている。

期待を超越するのは感動を呼ぶ一要因ではあろう。ただ、それだけでもないと思う。思いもよらず他と差異化した「コンテンツ」「パフォーマンス」などに振れた時、人は心を動かされるのではないかと考える。またはそれらが自分の心境にマッチする場合もそうかもしれない。他にもあるかもしれない。

そして心動かされたとき、体がそれを示し、また別の人と感動を分かち合いたい、共感したいともなるだろう。それは人間の真理である。

さらにいうと、最近の商品は「感動させる」のを意識しているものが多いようだ・・・感動の分析もデータ分析で可能かな・・でもどうすればいいのか・・などと考えている。目下、既存研究や事例を読み込み中である。

注釈:
(*1) 個人的には、この場合もし売上増となっても、その要因が必ずしも当戦略のみとは言い切れないところが難しいとは考える。仮に一つと一つの関係メカニズムをいえたところで、他の要因は無いことを証明できないので。
実は学術的にも、IT投資強度(intensity)とその効果について多くの研究がされているが、なかなか相関性を見いだせないのが多い。そこは割り切りが必要なところなのだろうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!!

参考文献
※URLの最終アクセス日は何れも2014年7月29日
[1] 情報処理技術者推進機構 情報処理技術者試験 ホームページ https://www.jitec.ipa.go.jp/

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東崇城
2015年2月末で退職いたしました。 本人の了解を得て、ブログはしばらく掲載いたします。 (株式会社アイ・ティ・イノベーション/コンサルタント ■大阪府枚方市出身 ■1997年 京都大学 農学部農林経済学科(現 食料・環境経済学科)卒業 ■アビームコンサルティング、日本IBMにて、主に証券、保険系のシステム開発プロジェクトにて要件定義から設計、開発、テストまで広く多く経験を積む。2008年より当社にて、主に通信系企業の品質管理支援、マネジメント支援、組織活性等のコンサルティングを担当 ■情報処理技術者試験(プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト他)、品質管理検定1級。都内の夜間大学院にてMOTを学ぶ ■日本ITストラテジスト協会(JISTA)正会員 ■趣味は水泳、数理プログラミング、サブカル鑑賞 ■目指すは「歌って踊れるPMO」)

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