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「私の尊敬する人物」


吉田松陰は、人物について次のような言葉を残している。

「私が、尊敬するのはその人の
能力ではなく、生き方であって
知識ではなく、行動なんです。」  覚悟の磨き方(超訳 吉田松陰)

松蔭は幕末に私塾「松下村塾」を起こし、日本の将来に関する様々な課題について門下生と語り合った。
この時代は日本の夜明けであり、列強が次々とアジアの国々を植民地化し日本にも力で迫ってきていた、そういう時代であった。国力では列強と比べるべくもない。そんな国際情勢のもと、日本の将来を案じ、突破口を開こうと、多くの有能な若者と同じ目線でとことん議論し考え抜いた場が「松下村塾」である。これはハーバードビジネススクールで行われているワークショップ教育を先取りした新しい型の教育手法である。
塾への参加者の個性を生かし、チームワークで、今は存在しない何か、を生み出すのだ。この時代には、画期的な試みといってよい。

松蔭は、能力や知識が重要なことは当然わかっていたはずであるが、何かを貫き通す意志(生き方)と実際に行動することが、世の中を変えるためにいかに大切なことかを伝えたかったのだ。
現代のビジネスでも、頭の中に優れた知識がある人や能力の高い人は数多く居るわけであるが、実際に一貫した意志を通し、立派な生き方をしている人物、何かを決断し実際の行動に移せる人物は、そう多くは無い。
何かを成し遂げるには、勇気と決断を必要とする。信念を持って困難が伴う何かを自らがやり遂げたとき、人々はその人に賞賛を送るだろう。

松蔭のいうような人物に近づけるよう努力したい。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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