皆さま、年末年始は如何お過ごしでしたでしょうか?
私は実家に帰り、家族と過ごしたり、自然を散策したり、読みたかった本を濫読するなど、充実した年末年始を過ごすことが出来ました。
本年も、引き続き「ザ・プロジェクトマネジャーズ」のブログをご愛顧いただければ幸甚です。
さて今年最初のブログは、主にユーザー企業のシステム子会社の方より、最近お話しを伺うことが多くなった「設計力の強化」についてです。
大規模なシステムを企画段階からコーディング・導入・運用まで、システムのライフサイクル全体を経験してきた有識者は、高年齢化しております。そしてあと10年もすれば、すべてに精通し、実務力のある人材は会社から居なくなるという状況に差し掛かっています。
一方で大体40歳以下の年代の方、特に30歳前半より若い世代の方は、ユーザーとベンダーの橋渡しをするマネジメント業務を中心とした仕事に長く従事してきました。その結果、真にコーディングやアーキテクチャの全体設計などの実務経験を有している方は、一部の方に限られているのが実情だと思われます。
システムのライフサイクル全体を経験しなくても、良いシステムを設計したり、適切な提案をすることは可能だと言われる方は多くいらっしゃいます。
私見ですが、手組であればシステムの耐用年数が短い、パッケージかつクラウドで運用するのであれば、システムのライフサイクル全般を経験しなくても、有識者のアドバイスを受けさえすれば、良きシステムを構築できるのかもしれません。
しかし多くの企業においては、ITのROI向上が必須です。よって構築したシステムは、出来るだけ長く、かつ維持・運用コストは抑えたいと考えます。またパッケージのみでシステムを実現するということは、少なくとも現状の多くの日本企業は行っていません。
この現状を見る得た場合、私の経験、また私の周りの方やお客様よりお伺いする話しを総合すると、『システムのライフサイクル全般に渡った経験が必須』と思います。
「設計力を強化」するためには、実際に要件定義・外部設計・内部設計・コーディング・テスト・導入・運用~そして企画について、知識やノウハウ習得のための研修や業務プロセスの標準化、そしてOJTを通じて実際に仕事を経験する。しかも社内の有識者が退職するまでに・・・
システム会社としての足元を堅牢にしつつ、事業拡大のための提案力、そして事業を適切に遂行するためのマネジメント力を発揮してゆく、今年はシステム子会社にとって、待ったなしで本件に取り組まなければならない年になるのではないか、そのように思います。