毎年恒例となっているPMI日本フォーラム、今年は7月の16、17日の2日間で開催されました。
PMI(Project Management Institute)は、プロジェクトマネジメントの普及のために活動されている国際的な団体です。
テーマは昨年に引き続き、「グローカルへの発進」。今年も海外からの講演者が何人か訪日されており、また参加者数もこれまでになく多かったようで、とても熱気のある盛大なイベントになっていました。
私の講演は1日目の16:05から。
「発注側と受注側、両者がハッピーになるプロジェクトマネジメント」というテーマでお話をさせていただきましたが、大きな会場が満席状態、やはり皆様高い関心をお持ちであり、逆に言えば「発注側と受注側の認識のズレ」をいかに埋めていくのか、非常にご苦労をなされているのではないかと感じます。
1時間ほどの短い講演でしたが、皆様の真剣な表情を見て、ついついこちらも熱がこもってしまいました。
講演の主旨は、システム開発プロジェクトの“始まり方”、つまりIT構想・企画や受注側からの提案段階において双方の認識を共有するためには、ユーザーの要望をそのまま要求として受け入れるのではなく、ビジネス上の目的や効果を起点とした「本当の意味での要求」を体系的な構造として定義・合意しなければならない、というものでした。
最後の質疑応答や、夜の懇親会でもご質問をいただきましたが、やはり経営的な視点と現場オペレーションの視点、その異なるレイヤーの要求をいかに結びつけるか、ここが皆様の一番の悩みどころのようです。講演の中ではIT投資マネジメントについても触れましたが、やはり経営マネジメント層のITに対する意識やかかわり方を変えていく必要があります。そのためにも、まずはIT構想・企画や提案を推進する立場からも主体的に改革を進め、上位のレベルへの「働きかけ」ができるよう進化する必要があるのではないでしょうか。
また、「システム開発プロジェクトが始まった後のマネジメントの方法」の部分、特に発注側と受注側のコミュニケーションの取り方や、仕様変更管理の方法などについても皆様の期待が高かったように感じました(メモを取られている方が多かったように思います)。時間の都合上ここはポイントだけのお話になってしまいましたが、機会があればこの部分にフォーカスした内容でもどこかでお話ができればと考えています。
今回は少し幅広い内容で講演させていただきましたが、皆様の今後の取り組みに向けてご参考になる情報をお持ち帰りいただけたことを願っています。
この機会をいただきましたPMI日本支部の方々、そしてご聴講いただいた皆様、本当にありがとうございました。