弊社の2011年度に実施するフォーラムの共通テーマを考えに考えて、今の日本に必要な“常識の打破”とした。その第一弾は、5月25日(水)に中部(名古屋)で実施することになっている。
未曾有の危機からの打破、ビジネス常識からの打破、技術的な今までの常識からの打破、人材育成方法の打破など。今こそ我々に求められていることは、環境、経済、ビジネスあらゆる分野での前提や認識が大きく変化しつつあると私は考えている。また、ここ数年間に肌身で何かが変ってきたと感じているのだ。
以下の質問に何らかのヒントや指針を提供できることを、本年度当社が、実施するフォーラムの目的とし、これまでで最高の会にしたい。
質問その1 企業のビジョン創りの方法は、適切か?
企業、組織、プロジェクト活動などのビジョンとターゲットの明確化は、成功不成功を左右する。様々な活動で真のターゲットすべき目標は、何か。今までの常識や経験と照らし合わせて決めているのではないか。本当にそれでいいのか?もっと深く、前提や範囲を変えて考えるべきではないか。Modus Visionという新しいメソッドを通して、組織やプロジェクトが、ビジョンを正しく設定し、”越えるべき壁をみえる化”する方法をお客様と一緒に考えたい。
質問その2 全く新たな発想で“ものづくり”を考えているか?
くるまという“もの”を新しい発想で定義し直し、デザインしてみること。ものを既に使ってしまった常識としての機能や形として見るのではなく、頭の中をリセットして考えて見る。素直に今までのくるまの常識を外してデザインしてみるとすばらしい本来の姿が見えてくる。映像と話を交えて未来のものづくりを考えて見よう。トヨタ自動車でくるまのデザインを手がけてきた木村先生をお招きし、新しいものづくりを考えたい。ITやビジネスの未来における検討の参考になる。
質問その3 これからのビジネスの価値を決めるIT構想企画力の向上を図っているか?
ビジョンからターゲットの絞込み、BABOKを活用した要求のみえる化、適切なビジネスモデリングの方法、非機能要求やプロトタイピング手法を織り込んだ企画の手順化、そして、
リスクを考慮した実現シナリオの策定など本当にIT組織が身に付けるべき企画の本質を共有する。
質問その4 IT組織イノベーションに必須の視点を持って経営しているか?
イノベーションを行うためには、常識を打破することが肝心である。しかし、目の前の取り組むべき問題を無視できないことも事実だ。現状に満足せず、到達が困難であっても達成すれば次の時代を築ける高いビジョンを創造できる。重要なことは、常に広い視野を持ち、現実にとらわれず高みを目指すことであると考える。特に、私が、以前から取り組んでいる活動がグローバル化への対処だ。次の世代を担う若い人に対してグローバル化推進の方法についても考えたい。私の今までの経験に基づきIT組織をイノベーションするための4つの視点を解説する。
以上の4つの質問に対してお客様と共に考えることが、フォーラムの目的となる。
なお、来る5月25日のITIフォーラム2011in名古屋の参加費の50%を震災の義援金として赤十字を通して寄付することとする。例年以上の情報交換会への参加をお願いしたいと考えている。
是非、多くの人がフォーラムで交流を図り、世の中を明るく前進させることを望んでいる。
追伸)「元気になろう」
震災から一ヶ月ほどが経過し、難儀な問題はあるが、少しずつ冷静さを取り戻しつつあるように思う。これからが、復旧と復興の本番になる。
世の中で様々な日本の今後について議論がなされている。失われたものを復旧させることは最低限必要であるが、同時に長期戦に備えて明るさを取り戻すことが、何よりも必要なことだ。
4月2日に大連に出張した。大連の大学の関係者と日本で開催するはずだったミーティングを急遽、中国に変更して行うためだ。大連の中国の方も日本のことを大変心配してくれている。トップや幹部の方からも温かい支援の言葉をいただいた。また、大連にある企業や様々な団体でも義援金の活動も盛んである。それだけ、日本とも距離も近いし、関係している日本人も多いと思う。ありがたい話だ。無事、会議は終了し帰路に立った。
4月4日の月曜日に大連から関空経由で羽田に帰国した際に、空から見える着陸地点は、驚くほど暗くなっていた。帰宅の車で、ドライバーが、「暗くなると商売はさっぱりなんです。」と言っていた。電力が不足するとどのようなことになるかを痛感した。一方、昭和40年代、50年代は、こんな明るさだったかもしれない。電力の問題は、企業や個人が節約すれば乗り切れるだろう。問題は、気持ちである。分別ある大人が率先して、気持ちの明るさを取り戻し、消費に向かわなくてならないと私は思う。アメリカでは、9.11の時に、多くの人が、消費行動にでて景気の下支えをしたと聞いている。普段以上に関東、東北の農産物、海産物を買おう。4月に入ったのだから普段の生活や活気に意図的に戻して行こう。