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それぞれが、今できることを実行する ~新たな国創りに向けて~


 私は、この度の地震の知らせをインドのプネ出張中に、インドのパートナー会社の社員から聞かされた。最初は、東京が直撃されているらしいとの事。前日には、前触れの小規模な地震情報をインターネット上で知っていた。大変なことかもしれないと思い、すぐさま、日本の本社へ連絡を取ろうとしたが、ビジーで回線がつながらない。何回もトライしたが、つながらなかった。インド現地の電話から我社へは、やっとの思いで連絡することができた。その時点で、東京の状況は、少しずつ明らかになってきた。社員と社員の家族の無事を確認しつつ、妻の携帯に何度連絡しても交信できない。いろいろな憶測がよぎる。地震発生から4時間余りたって、たまたま、電話がつながり、ようやく妻と子供の無事の確認をすることができた。

 インドでの滞在中ホテルでは、CNN、BBCの放送は、ほぼ日本の地震情報ばかりである。旅先で、訪問者の国のこと家族のことを心配してくれるインドの仲間は、ありがたい。連絡がつき、社員や家族の無事を告げると心から喜んでくれた。本当にありがたいことだと思った。

 地震発生から時間が経過するにつれて、東北地域では、津波の深刻な被害が広がっていることが分かってきた。また、同時に原子力発電所の事故が、起こっていることがわかってきた。世界中の人が日本の被災を心配している。ムンバイ、シンガポールでの帰国の際に、日本人だと分かると心配そうに外国の人が、声をかけてくれる。早く帰りたいが、日本まで飛行機を飛ばせるかどうかが分からない状況だった。イギリスのインデペンデント誌が、掲載した日本へのメッセージは、ありがたく元気付けられた。がんばれ東北、がんばれ日本という日本語で英文誌に載っている。愛と暖かさを感じる。

 何とかシンガポール経由で13日の夜に成田に着いた。家に着くなり、テレビを通して深刻な事態を肌身で感じた。幸い我社の社員、家族には、被災者はいなかったが、お客様の会社、家族は、様々な形で、被災者になっているではないか!

 政治も産業も老いも若きも今こそ力を合わせる時だと思う。優先事項は、自分のことではなく、被災者に対して何ができるかである。また、将来につながる見通しある復興事業とすばやい救済措置が、急務である。世界中から日本に対する心温まる支援の声が上がっている。実際に帰国時に成田では、海外からの救援隊にあった。今まで、日本は、災害時に国家として他国に対してできる支援活動を継続的に行ってきた。今回は、お世話になる番なのかもしれないが、日本人こそが、何かをしなければならない。

 私は、経営者として社員や会社を守る立場であるが、今回のような未曾有の危機に関しては、個人と会社の力を使い、被災された方々、地域への支援を行わないといけないと考えている。被災した状況を月曜日一日かけて理解することできた。火曜日は、決断し、実行に移す日である。

 早速、幹部に声をかけ私の考え方針を話した。社員は、「やりましょう」と言ってくれた。嬉しいことである。

「それぞれの立場で、今できることを実行する」ことこそが、必要だと思う。

・経営層と社員が一緒になって義援金を集めよう。会社では、当面数ヶ月の売上の一部を義援金に当てよう。
・お客様個人と会社の事情をできる限り理解するように努めよう。

最後に、私は、ちょっとやそっとでは、負けない日本を創りたい。

がんばれ!東北。
かんばれ!!日本。

あきらめず前に進めよう。

この度の東北地方太平洋沖地震で被災された方々には、心からお見舞いを申し上げると共に、救助を待っている方々の一刻も早い救出をお祈りしております。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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