ここ2-3ヶ月の間に、様々な経営者に、社員をどのように変革したいか聞いてみた。
私が、普段から感じているとおり、多くの経営者は組織運営の基礎の基礎が、重要で、景気が次の成長期に入る前に、何とか本質的で基礎的な部分を改革しようとしている。
基礎の基礎とは何か、例えばプロジェクトを成功させるためには、プロジェクトマネジメントやプロジェクトのプロダクト・プロセス強化は、当然のことだ。また、マネージメントのためのテクニックやツールも必要だろう。 多くの企業が、プロジェクトマネジメントや開発技術の教育に取り組んでいるが、なかなか改善が進まない。
なぜだろう?
表層の知識や技能を身に付けることは確かに大切であるが、知識、技能だけで実際のプロジェクトや組織の中で成果を出すことは、難しい。
基礎の基礎とは、もっと本質的なものだ。例えば、仕事に対するやる気や取り組むときの態度。さらには、人生感や生きるための哲学なども本質だ。組織やプロジェクト活動の中で持続的に改革や改善活動に結びつく何かである。月曜日の朝に、不自然に休む人やまともに挨拶をしない人。人に接するときに笑顔が無く、正面で相手と会話が出来ない人は、そもそも、仕事を生きることの中で適切な形で位置づけていない場合が多いと思う。人々が、人生の中で多くの時間を、仕事に費やしているのに、ただ、金を稼ぐ場としか考えない人も中には居る。仕事がそのような位置づけならば、その人の人生は、豊かだとは言いがたい。仕事とは、もっと大切なものだと思う。多くの時間を費やす時間こそ価値ある位置付けだと考えるのが自然だと思う。生きる姿勢は、そのまま仕事に反映されて当然だ。
基礎の基礎とは、様々な仕事に対応できる基本OS(基盤)のようなものだ。OSが、だめならどのような仕事をのせてもうまくいくことは無い。
これらを含めて専門力を際立たせ、向上させてはじめて役に立つ能力を高めたことになる。一部の社員の基礎力が変化すると他の社員が、影響を受け始める。組織のカルチャは、少数の変化によってもたらされる。一人一人の基礎力の変化が、組織の大きな変化に繋がってゆく。部分の変革から総力の変革を実現する。
トレーニング以前の基礎の基礎が出来ている組織が、本当の力(総力の変化)がついたことになる。
本物の変革は、地味な努力を重ねることかもしれない。