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自覚のある人ない人


人生を成功させるかどうかについての重要な要因は何かを深く考えてみた。

  • はっきりとした目標やビジョンを持っていること
  • 戦術やプロセスが、しっかりとしていること
  • 知識や経験が豊かでありビジネス上の実力があること

などが、挙げられる。
どの項目も大切なことだと思われる。しかし、上記の項目を満たしているにもかかわらずうまくいかない人が多く見うけられる。
なぜだろう? それは、その人の人間性に問題があるからだ。
いくら本人としての“正しい”ビジョンやプロセスを理解していたとしても、周囲の人々が、
それらを正しいと認識していなければ、事はうまく運べない。
言い換えれば、自分が考えている認識と周囲の人々が感じている認識のレベルが合っていなければ、プロセスを進めようとすればするほど、ギャップが広がってきてしまって問題が大きくなってくる。

“自分の世界の正しさ”に固執して、周囲の人々とのコミュニケーションが、不十分な状態が続く場合に独りよがりの人は、ますます硬直化して、自分を正当化するために周囲の人を責め始める。
一部に多少の正しさがあったとしても、コミュニケーションに大きな問題があるので状況は、どんどん悪化する。

要は、聞く耳を持つことである。

“聞く耳を持つ”とは、話としては簡単であるが、いろいろな状況の中で“常に聞く耳を持っている”ことは、そう簡単ではない。
私は、大雑把に言って聞く耳を持つ人と持たない人の二種類の人がいることを発見している。
人の話をちゃんと聞ける人は、自己の認識を確認手段があるということだ。
自己認識と他人認識を、一致させる手段を持っているということだ。
このような人には、正しい自覚がある。厳しい言い方になると思うが、自覚のない人には、成功の可能性はないといえる。

自覚とはそういうものだ。

人物を評価する際にもっとも効率的で有効な手段は、自覚の有無を確かめることだと思う。
私は、人の実力をあれこれと評価する前に、まず、自覚の有無を確かめるようにしている。
自覚とは、社会で成功するための基本要素で、その人物の成功・不成功を左右すると確信している。

私は、多くの組織やプロジェクトの失敗を見てきたが、失敗の原因の多くは、“自覚のない誰か”を放置したことによって引起されたことによる例が実に多い。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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