若者は、任せればできる。日本は、これから20-30年の間に深刻な人口減少の時代を迎えようとしている。しかし、まだまだ、若者の数もそれなりにいることも確かだ。
仕事柄、いろいろな会社を訪問し、組織を構成している人々を見ていると、かなりの数のベテランが組織の中に居座っていて、若者の自由な発想や活動を妨げているところをよく見かける。
入社して10年以上常に先輩だらけの中で、会社生活を送ると、若者は本来の成長をしなくなってしまう。適切なタイミングで自立しなければならない環境が、若い人には必要だ。
私は現在53歳で、若くて厳しく仕事をしていた時代は、80年代から90年代初めまでの15年間である。
どんどん後輩が入社して、仕事は、やりきれないほどあったし、乱暴に容赦なく仕事が振られてきた。いわゆる理不尽な仕事も多くあったし、めちゃくちゃな勢いで新しいものを獲得しない限り、失敗しそうな仕事も多くあったが、頑張りや工夫やラッキーな要素もあり、何とか仕事をこなしてきた。
あらためて振り返ってみると”場”や”環境”には、人を育てる要素が多いと思う。
先輩の親切心や親心で人は育たない。整地された教育制度や親切な先輩が多いということで人が、成長するわけではない。
弊社が提供しているインドでのIT教育は、足掛け3年になってきている。
2、3年前にインドへ派遣された受講生は、今活躍している。環境をかえて3-4ヶ月インドで様々な刺激を受け、仕事や社会や生き方に関する考え方が、変化した人も多い。私自身も80年代に英国にITの方法論の習得のために派遣されたことが大きな刺激となり適切な時期に成長できたと思う。
もっと、若者に機会と責任を早めに与えよう。若者のエネルギーを妨げてはならない。ベテランの影響の無い組織を意識的に創ろう。そのように組織の活性化を図ろう。
ベテランだけで機能する組織もまた必要だ。
会社は、戦略と組織いかんで成長したり、停滞したりするものだ。
これは、私の悩みでもあるし社会の悩みでもある。普通の組織では、普通の結果しか出ないだろう。
自らを否定することがベテランの仕事なのかもしれない。