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ITの世界に感情労働を


感情労働という考え方をご存知だろうか?

一般的に労働は、肉体労働、頭脳労働などと接頭語をつけて分類することができる。

労働に感情という概念を連結した「感情労働」は、米、カリフォルニア大教授で、社会学者のアーリー・ラッセル・ホックシールドが提唱した。

「感情労働」とは、相手に感謝や安心の気持ちを引き起こさせるために、「公的に観察可能な表情や身体的表現をつくるために行う感情の管理」と定義されている。感情労働は、難しい定義であるが、簡単にいえば「感情」を働き方に移入し、仕事の成果を高めることだと考えられている。すでに、航空業界や飲食業などのサービス業では、この考えを応用して大きな成果が得られているが、ITサービス業はこの考え方の取り入れが遅れていて、意識すらされていない場合が多くある。困難で難易度の高い仕事をお客様と一緒に行わなければならない場面では、辛いときや笑えないときもあるし、振る舞いの悪い客に腹を立てたり、落ち込んだりすることもあるだろう。怒りや感情の高ぶりを抑え、自然な「笑顔」や「思いやり」を示すということが、感情を使って労働している状態である。ここまでの成長が本物のプロフェッショナルには、求められるのだ。
本物は感情に左右されず、ぶれることはない。

どのような場面でも人間的に常に上位の視点から余裕を持って
「プロとして情動も道具として使い、成果につなげること」
が、必要ではないだろうか!

このような状況で仕事だけに没頭していると燃え尽きる可能性があるので、気分転換もうまくできてこそ本物のプロといえるのだろう。実際に仕事ができる人は、これができていると思う。私は、つねに、ネガティブな感情をコントロールできるように意識している。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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