年末になり、挨拶回りで多くのCIO、IT部門の責任者の方にお会いしている。
一年を振り返り、来年の見通しを立てる良いタイミングである。
ここ数年の間に、ITプロジェクトの難易度、複雑化が進行しており失敗プロジェクトが、多発している。一向に失敗が減る気配が無い。
これからの企業活動に必要な事は、要求される事をまじめに着実にこなすことよりも、現状を否定するような常識はずれの発想や企画が、求められている。まじめさの追求よりも様々な考えの中から勇気を持ち新たな方法を選択することが重要だ。横並びから頭ひとつリードすることよりもまったく違う方法で一番を獲得するための知恵を絞る。
ユニークネスとは何か本当の意味で考えることが、必要になるだろう。
徐々に難しくなって行く仕事を我慢して耐えて実行することも時には必要だと思うが、ガンバリズムの一点張りでは将来は無いだろう。仕事の本質やIT組織の存在理由を深く考える時期になったのだと思う。
このような状況で見通しをはっきりさせるためには、そもそも「原点は何」であったかをあらためて振り返り考察することである。
私が創業したアイ・ティ・イノベーションは、設立10年になる。創業以来、山谷、波風いろいろあったが、何とか10年の間、事業を継続できたことは、お客様、社員、パートナーの努力のお陰であるとつくづく感じている。企業のビジョン、価値がお客様やパートナーに理解されたのだと思う。ビジョンは努力により定着するが、ある程度時間が経つと停滞も始まるのだ。停滞の兆候を見逃してはいけない。新たなビジョン創造の活動を速めなければならない。
世の中もITの仕事も我社もすべて原点に返ってもう一度、価値の観点から再構築しよう。複雑化がすすんだときには、コントロール不能になるまで深追いせず「そもそもなぜ必要なのか、原点は何か、価値は何か歴史を振り返り、仕切りなおすことにより、わかりやすく、シンプルなビジョンを再構築する。この話を経営者の方にするとどの経営者の方も同様のことを感じているのがわかった。共感が得られた。
2008年は、そのような、原点に戻って本質を見直し、ビジョンを創り直す年にしてゆきたい。