私は、今、中部のお客様を複数訪問し、新幹線で帰路についている。新幹線ミュージックチャネルで、皇帝演舞曲(J.シュトラウスI世)を聞き、真っ白に雪化粧をした美しい富士山を観ながら、同時にこの原稿を書いている。ゆったりとしたワルツを聴きながらいつものように原稿に追われていることもプレッシャーとゆったり感が、奇妙に同居した私らしい楽しい時間である。私の2006年は、多くのお客様に様々な提言を行い満足できる成果のあった年となった。
提言した内容は、以下のものである。
どれも難しそうではあるが、絶対に外せない課題である。
何を実現するにせよ大切なことがある。
一つは、基本に忠実に真っ直ぐ取り組むこと。次に、すべての世界は、人の意識や考えで成り立っていることを再認識することである。変化が激しく、一見困難に見える状況を打破するには、諦めず正面から取り組むしかない。
2007年を輝く年にするために重要なことは、あれこれ策を巡らすことではなく、基本に忠実に回り道をせず、着実に改革を進めることだ。2006年に提言した内容は、ほとんどが人の意識や考え方の変革に関係することであり、2007年に本格始動すべきことばかりである。これからの多様で複雑なITの世界に対応するためには、基本となる考え方が最も重要である。
私が、2007年に、最も強調したいことは、活力のある明るく元気なIT組織を各企業が創造することだ。明るくするためには、分かりやすく納得性のあるビジョンを掲げることが必要である。何をするにも人の意識が前向きにならなければ、いい知恵も浮かばないというものだ。
21世紀は、技術の時代ではなく、本当の行き方、考え方を明確に定義し直す時代であると思う。本物が生き残ること。本物の実力をつけるように、努力を開始することだ。技術以前にメンタルなことがより重要になるはずだ。ITの世界に限って言えば、IT組織の活動の本質を理解することだ。
私は、2007年につながる話として、2006年12月のドラッカーの本の翻訳家である上田惇生先生との対談で、印象に残ったことがある。それは、「ITの時代は、まだまだ入り口にあり、これから本格的な変革が訪れる」とのことだ。我々の仕事は、やり方を開発する以前に、問題の本質を定義することがより重要になる。
自分戦略、目標、仕事と余暇、技術と芸術、スポーツと音楽、会社と家族などを総点検し、新たなスタートを切ろう。人間には、集中とゆるみの両方必要なことも考慮しておこう。
皆さん、2007年こそ、明るく元気なIT組織を創ろうではないか。