IT業界は、時代の岐路に立っている。
特に、SIベンダーは、生き残りをかけて戦略を実施する段階に差し掛かっている。
昨年末あたりから利益を出せる組織と赤字体質の組織の明暗がはっきりしてきた。
今後は、統合、提携、系列化、M&Aなどが進行し、数年後には業界は様変わりをするだろう。
ソフトウェアのプロダクトベンダーについては、一足早く10年程前から統合や買収を盛んに実施してきたが、ここにきて、受託開発、アウトソーシングなどを本業とするSIベンダーも、積極的に会社を超えた生き残り策を実行に移す段階になった。
ここで重要なことは、各社の強み・弱みを認識し、生かすことである。
どれほどの組織が、自社の強み・弱みを正確に把握しているだろうか?
答えは、殆どの会社は、自社のことを分っていないばかりか、経営者が、それを知ろうともしていない。会社のカルチャ、体質は、経営者が作っていることを肝に銘じる必要がある。
経営者自らが自社の強みを理解し、身体を張って変革に取り組んだ場合だけ生き残りに成功するだろう。
当社では、40数社に対してIT組織のスキル診断を実施してきたが、明確な診断結果に基づいて積極的に変革を実施している企業が2004年ごろから何社か出てきている。変革テーマを決めて成果が顕著になるまでには2,3年かかるが着実に進めている。10年、20年かけて形成してきたカルチャが、そう簡単に変わる筈は無い。
変革のテーマには、以下のものが挙げられる。
・事業の枠組みの変革
・人事変革
・プロセス変革
・人材の育成方法変革
・技術戦略
技術戦略以前に人・組織やプロセスに関して優先度が高い場合がよくある。
変革を成功させるには、
・自社の状況を正確に知り、経営者と幹部が、納得すること
・変革テーマは、半年単位で分りやすいものを選び、確実に取り組む
・テーマには、しつこく、しぶとく取り組み、例外を認めないこと
・変革を振返り、成果と問題点を明らかにすること
継続的な改善のカルチャ構築こそが、組織の最終形である。