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潜在力を引き出す


どのような組織にも潜在力がある。組織の活動が、成功するかどうかは、潜在力を引き出し、学習するクセを付けるかどうかにかかっている。

この事実に気がつき、意識的に引き出す努力をするトップ、マネジャが、組織を成長させることができる。

私は、仕事上、年間に100社以上の経営者、上級のマネジャの方と話をするが、成長、改革を図りながらプロジェクトを運営することを理解している人は、少ない。ただ、足りない部分を埋めようとしているだけだ。

例えばプロジェクト活動について言えば、常にメンバーの能力は、不足している。
私が、経験した数多くのITプロジェクトの場合は、一つとして満足した体制をとれた例は無かった。多くのマネジャは、不幸であると考えがちだ。
成功するプロジェクトでは、メンバーの潜在力を意図的に引き出し、自信を付けさせ、学習する組織に仕立てていく。
最初から満足する体制なんかありえないと考え、この課題を解決するために自分(プロマネ)が存在すると考える方が、健全だと思う。
実力あるプロマネは、不条理を不条理のまま扱わない。不条理を楽しみや条理に変える力がある。

厳しいプロジェクトを成功させたメンバーは、人間的にも大きく成長する。
プロジェクトを通して自分自身が、成長を実感できるし、仲間の成長を素直に喜べるようになるだろう。

プロジェクトを成功させることは、組織とメンバーを成長させ、自信を持たせることと同じ意味だと考えている。潜在力を成長、変革、学習に変える計画をプロジェクトに組み込むことだ。

実力的にも人間的にも成長した組織が、プロジェクトを成功させるのだ。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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