プロジェクト品質マネジメントはプロジェクトの成果物が与える顧客等が持つニーズに対する満足を確実にするためのマネジメントであり、それはプロジェクト活動自体の品質と、プロジェクト活動の結果出来上がる成果物の品質の両方を対象とする。
PMBOKでは、プロジェクト品質マネジメントを「品質計画」、「品質保証」、「品質管理」の3つのプロセスで行うとしているが、当然そのアプローチはISO9001、10000シリーズといった国際標準化機構の定める規格やガイドラインとも整合性を持つものである。
品質は検査ではなく計画によって達成されると近代の品質管理では考えられている。その意味で「品質計画」は品質マネジメントで非常に重要な意味を持つ。品質を計画する上でもっとも重要なのは、経営(者)が関与し表明するそのプロジェクトを実施している組織の「品質方針」である。これに則ることによってプロジェクト品質マネジメントにおける活動は、その組織やステークホルダーにオーソライズされたものになる。
「品質計画」では「品質方針」の他スコープや成果物の記述書等のインプットから、QC活動等で知られた特性要因図等のフローチャートやベンチマーキングなどの技法、ツールを用いて品質マネジメント計画書、運用基準、チェックリストなどを作成する。
「品質保証」は、プロジェクトが適切な品質規格を満たしながら進められているかどうかの第3者的な視点からの監査(レビュー)を通して具現化され、その結果は品質改善の指摘というアウトプットを生成し、プロジェクトの変更要求や是正処置を促すことになる。
「品質管理」のプロセスは、プロジェクト活動全体を通して行われる品質維持のための活動である。品質管理のためには適切な検査を行い、その結果で承認(受け入れ決定)、手直し、予防、是正処置は適時行われる。
プロジェクト品質マネジメントでも、一般的な品質管理でも重視されるのは、結果を検査して改善することより、品質割れや、低下を未然に防ぐ、予防の概念である。また品質は成果の生成過程に作り込まれるべきものでもある。