DX(デジタルトランスフォーメーション)推進コンサルティング 株式会社アイ・ティ・イノベーション

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3要素モデリングによる可視化とQMSによる品質向上で
長く使い続けられる基幹システムを実現

課題
  1. パッケージにアドオンを繰り返し、ブラックボックス化していた。小規模な変更・追加の場合も影響範囲を把握できず、テストの工数が増大
  2. 基幹システムはERPパッケージに依存。自社でシステムのライフサイクルをコントロールできないため、EOSL(End of Service Life)対応に追われていた
  3. 子会社で本社と同等の統制を行いたくても、システムの横展開が不可能
解決
  1. 3要素モデリングによる分析でシステム全体を可視化し、ブラックボックス状態を解消
  2. システム構造を把握し、自前の基盤を構築してパッケージ依存・ベンダー依存から脱却
  3. 3要素モデリングを活用し、子会社に横展開しやすい構造のシステムを設計
豊田通商株式会社様

導入の背景

豊田通商様はトヨタグループ唯一の商社として、自動車関連事業を主軸に、それ以外の分野でも徹底したユーザー志向のバリューチェーンを構築しています。基幹システムで利用しているERPパッケージがEOSLを迎えることになったのをきっかけに、2016年から再構築プロジェクトがスタートしました。アイ・ティ・イノベーション(以下ITI)は以前から、PMOとして豊田通商グループのさまざまなプロジェクトに参加していました。その実績が認められ、2013年には、進捗が思わしくないプロジェクトに対してアドバイスしてほしいと声を掛けていただきました。ITIと豊田通商様で一緒に対策を検討し、「3要素モデリング」「スクラッチ開発基盤」「QMS/PJ管理」の3つの施策に取り組みました。その後、基幹システムの再構築プロジェクトが動き出した際に、ITIが「3要素モデリング」と「QMS/PJ管理」を担当することになります。豊田通商グループのITシステム全般に携わっている株式会社豊通シスコム技術本部本部長の竹内様は、「一般的なコンサルタントは特定のパッケージを導入する前提で話を進めがちですが、ITIはパッケージありきではなく、豊田通商が作りたいもの、やりたいことを第一に考えてくれます。今回の再構築プロジェクトにマッチしていたので、迷わずお願いしました」と当時を振り返ります。

豊田通商株式会社 IT戦略部
株式会社豊通シスコム 技術本部 本部長
竹内 宏明 様

アプリケーションの保守を中心に、豊田通商グループのシステムの各種プロジェクトに関わっている。基幹システム再構築プロジェクトではプロジェクトリーダーを務めた。

豊田通商株式会社 IT戦略部
株式会社豊通シスコム 基幹情報システム部 アーキテクチャG GL
長谷川 誠 様

基幹システム再構築プロジェクトでプロジェクトマネージャーを務め、継続して基幹システムのモデリングと開発基盤の保守・展開に取り組んでいる。

※2021年2月取材時

システム全体を可視化するための3要素モデリング

3要素モデリングとは、業務・機能・データの3要素を分析し、関係を構造化・可視化する手法のことです。要件の抜け漏れを防ぐために利用されます。今回の再構築プロジェクトでは、データモデル作成を得意とするITIがモデリング導入を支援。要件定義よりも前の基本構想の段階から並走し、現行機能が作られた経緯を確認しつつ、3要素分析で現状を把握し、機能や項目の統合・共通化を行いました。
豊田通商様は、3要素モデリングで分析したことをシステム開発へ反映させるため、上流のモデルから設計・開発・テストまで一貫したモデリングの取り組みを継続しました。プロジェクトメンバーはパッケージ導入の経験は豊富ですが、モデリングは未経験だったため、当初はどれほどの効果があるのかイメージを持てなかったといいます。ITIが先生役となってモデリングについてお伝えし、プロジェクトで実践していったことで、モデリングの効果を実感していただけるようになりました。現在は豊田通商様の中で、モデリングが不要という意見は出ていないそうです。長谷川様は、ITIのモデリングは精度が高いと評価してくださった上で、「モデリングに対する社内での理解度には、まだバラつきがあります。今後はさらにモデリングの事例や効果を社内で説明して浸透させ、他のプロジェクトにも活用していけるようにします」と語ります。

プロジェクトを成功へと導くためのQMS/PJ管理

豊田通商グループのシステム開発プロジェクトでは、組織全体として品質を上げていくための仕組みが整備されていなかったという課題がありました。個々のプロジェクトの成功要因・失敗要因について把握できず、次のプロジェクトに生かせない状態が続いていたそうです。そこで、組織全体の取り組みとして品質向上を目指すため、QMS(Quality Management System)を導入。ITIがサポートして、プロジェクト管理のために必要なルールや手法を整備しました。QMS/PJ管理を取り入れたことで、基幹システムの再構築プロジェクトはスケジュール通りに進み、コストも予算内に収まりました。全体としての品質の底上げにつながったので、QMS導入のメリットは大きかったと評価していた だいています。現在は豊通シスコム様と、豊田通商様のIT戦略部が中心となり、ルールや手法を継続的に改善しながら運用されています。

システムを子会社へ展開し、さらなる活用を目指す

再構築した基幹システムは、豊田通商様の本社で2019年5月に稼働開始。ユーザーにとっては「これまでと同じように使えるシステム」であり、情報システム部門にとっては「これまでの課題を解決できるシステム」が実現しました。3要素モデリングによって中身が可視化された新システムは、小規模な変更や追加に対応しやすくなり、不具合対応も以前と比べてスピーディーに行えるようになりました。また、オープンソースを活用して自前の基盤を構築したことで、パッケージ依存・ベンダー依存から脱却。EOSLの問題を管理しやすくなり、システムを自分たちで保守しながら長く使い続けることが可能になりました。システムの構造を見直して、子会社への横展開も可能にしました。現在は本社以外にも子会社1社で同じシステムを使っています。本社と同じシステムを使うことで保守を一本化できるだけでなく、子会社の統制・リスク管理の強化につながるメリットもあります。豊田通商グループでは本社から子会社への業務移管が多いため、必要なデータを選ぶだけで容易に子会社へ移行できる仕組みが整ったことも重要な改善点です。また、ユーザーが本社から子会社に異動する場合、これまでは全く別の仕組みを覚えなくてはなりませんでした。同じシステムが展開されれば、異動してもすぐに使えるので負担軽減になると期待されています。今後は、国内の子会社に順次展開して活用していく予定とのことです。

ITIの魅力は、幅広い視点で適切なアドバイスをしてくれること

竹内様はITIの印象について、「プロジェクトの成功に向かって、等身大で導いてくれる先生。例えるなら建築の設計士のような存在です。大工(開発者)と施主(ユーザー)の両方が納得できるように考えてくれるし、建物(システム)の全体像も中身も熟知しています。いろいろな視点でアドバイスしてくれるので、ありがたいと思っています」と語ってくださいました。
長谷川様は、「ITIは、身近な存在として気軽に相談できるのが良いところです。 一般的なコンサルタントはピンポイントで入ってくることが多いのですが、ITIは上流から下流まで全体的に見てくれるので助かっています。ITI内で蓄積した知見に加えて、業界内での強固なネットワークも持っているので、必要に応じて講師を紹介してもらえたのは心強かったですね。ITIはいつも的確で、『絵に描いた餅』ではなく、着実に実行できるアドバイスをくれると感じています。引き続きサポートを期待しています」と、関係の継続を希望してくださいました。 事例資料のダウンロード(PDF形式)はこちらから

お客様情報

社名 豊田通商株式会社
名古屋本社(本店) 名古屋市中村区名駅四丁目9番8号
東京本社 東京都港区港南二丁目3番13号
設立年月日 1948年7月1日
代表者 取締役社長 貸谷 伊知郎
事業内容 各種物品の国内取引、輸出入取引、外国間取引、建設工事請負、各種保険代理業務 等
従業員数(2020年3月末時点) 単体 3,439名(出向者を含み、受入出向者を除く)
連結 66,067名
Webサイト https://www.toyota-tsusho.com/
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