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プロジェクトマネジメント実践力


日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)主催で、先日、中部PMセミナーを開催しました。
「クロスカルチャーの時代、多様なバックグラウンドを活かす!」をテーマに5つの講演を頂き、弊社IT Innovationから各務さんが「地域におけるGX実現に向けた取り組み」を題に講演しました。本セミナーで感じたことを共有させて頂きます。

セミナーでは、複雑性を増した現代の中で、様々なギャップのある多様な環境、カルチャーの違いを乗り越えて、成功を導くためにマネジメントを実践されてきた講師の方々にお話しを頂きました。
様々なギャップによって構成される多様性に富んだチームで多様なバックグラウンドを活かし、効果的にコミュニケーションをとり成果を上げる事例を、日本に留まらずグローバルな視点や、現代に続く時代の背景、官民連携した活動などを紹介頂きました。
セミナーを通して感じたことは、プロジェクトマネジメントを含めたマネジメントの基本を実践すること、そして、その難しさを感じました。

各務さんの講演では、地域の中で企業・行政・市民を含めた多様なステークホルダー間の利害・思いを調整していくことの重要性、そしてその難しさを感じるものでした。行動し、働きかける意志・思いと、取組み全体を進めるためにバランスを取り続けるロジカルな冷静さが必要であると感じました。
プロジェクトマネジメントにおいても単に方法・手順をマネするのではなく、目的を達成するための具体的な行動と意志、そのとき、流動的に動く事態を捉えるための観点を整理するロジカルな思考がより本質的に重要であることを感じさせるものでした。
もちろん、プロジェクトマネジメントの手法として、計画段階での精緻化の重要性は疑いようがないと思います。しかし、新規性・複雑性の高いプロジェクトではそれだけでは、成果につなげるのが難しいものです。それは実行段階で、事前に想定しきれないことが発生することが一因ですが、目的を達成する意志を持って、試行錯誤を行い、対応していくことが重要になっていきます。

また、目的を達成するための具体的な行動と意志は、マネジメントの基本スキル習得にも関係してくると思います。
例えば、7つの習慣でも言われている”影響の輪に集中する”という原則がありますが、限られた時間の中でゴールを達成するため行動していくと、自ずとゴール達成に寄与しない”影響の輪”の外側である”関心の輪”に労力を割く事は避けるようになるはずです。ある意味ではマネジメントのスキル、ノウハウは当たり前のことでもあるので、特段、教わったり、勉強せずとも身に着けていくことが可能です。また、自分で実践して理解するとその理解度も高くなります。この例の場合でいえば、どこまでが影響する範囲かという問いに対して、どこかに明確な境界があるのではなく、状況の変化や何を重視するかなどで、グラデーションや変動があることも理解できると思います。このことは、目的・目標を見据えていることに加え、達成する意志が、実践的マネジメントスキル・ノウハウを育んでいく条件になっていることを示していると思います。

このような話をすると、プロジェクトマネジメントなどの知識体系に価値が無いのではと感じるかもしれませんが、そうではありません。自力でノウハウをゼロから構築する場合、多大なコスト・時間がかかってしまうため、独力だけでは限定的な範囲のスキル・ノウハウしか習得できず、結果、マネジメント能力不足で達成できる範囲も狭まってしまうことになります。目的達成志向が強ければ、体系化された先達のノウハウを取り込むことで、巨人の方に乗って、より高いところからマネジメントを行える状態を目指すことになるはずです。今回のセミナーではプロジェクトマネジメントの実践力を生み出す本質の一端に触れることができたと感じています。このブログが皆さまがマネジメントスキル、ノウハウを扱う際のご参考になれば幸いです。

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小林大悟
2007 年より横河電機(2013 年、横河ソリューションサービスに移籍)で、制御システムのエンジニア(営業技術)に従事。鉄鋼などの素材製造の顧客向けに提案活動、契約前の仕様決めに従事。システムを扱っていく中でプロジェクトマネジメントに興味を持ち、PMS(Project Management Specialist)を取得。2023 年から IT Innovationのコンサルタントとして活動。ボランティア活動として、日本プロジェクトマネジメント協会中部支部である中部 PM 研究部会の副幹事として、会運営を行っている。

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