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故郷への郷愁 ~ 思えば遠くへ来たもんだ ~


「思えば遠くへ来たもんだ」は、1978年に発売された海援隊(リーダーは武田鉄矢)の楽曲である。歌詞のくだりに次のようなフレーズがある。

「思えば遠くへ来たもんだ この先どこまで行くのやら」武田鉄矢が故郷を離れて東京で音楽活動などをするようになり6~7年が立った頃に、自分の心境と重ね合わせてこの歌を創ったのだろうと想像する。

どのような意味なのだろうか?

人は目標に向かって努力するが、その結果は天に任せる。そんな生き方をしたいという意味だと私は思う。

努力し続けても必ず報われるとは限らないが、悔いを残さず努力しきるということが、生きてゆくということであり、結果は天が決める、ということだと私は考える。

このような考えになるには、10年、20年あるいはもっと長い時間と経験が必要になる。「この先どこまで行くのやら」の後には、どのようなことを想像すればよいのだろうか?

続きは書いていないので、読み手の想像に任せているが、私には、前向きには生きようとしているが、まだ先の見通しの立っていない若者たちに向けた強いメッセージが込められた歌詞だと思える。

私には、故郷への思いを抱きながら不安と闘い、懸命に目の前の目標に向かっていく若者たちの姿が目に浮かぶ。
今の人々に欠けているのは、
・情緒あふれる思い
・なかなか到達できないような目標

を持つということである。そして、10年ごとに自分が努力して残してきた足跡を振り返り、軌道修正するのが良い。

混沌としていて先行きが見えないし、一方で素晴らしい技術が次々と生まれてきて夢もあるが、選択が困難な時代に我々は居る。特にIT業界では、DX、AIなどに加えて新たなITアーキテクチャなどが出現する一方で、混沌の度合いは増しており、様々な選択を強いられて、簡単に正解は得られない。昭和50年代は、別の意味での混沌があった。

このような時代に必要なことは、目標を持ち、歩み続けること、振り返ること、情緒・思いを持ち続けることだと私は考える。

追伸)
私も、故郷である名古屋を離れて東京暮らしを始めたのが1980年頃、その頃の歌で共感を覚えた。それから故郷で暮らすことはなく44年間東京に定住している。

上京して20年目ぐらいまでは、年を取って仕事を終えたら故郷で暮らそうという思いは強かったが、今は、妻や子供たちはすっかり東京の人間になり、私には故郷で老後は暮らしたいという思いはなくなった。東京の方が刺激も活力もあるし、様々な情報に早く手が届くので、それが負担になることはなく、むしろ当たり前で、活動するのが心地良いと感じている。何歳になっても次々とやりたいことが現れる。この状況をありがたいと思う。

次号では、26年間書き続けたブログの振り返りをする。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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