少し過去を振り返ってみたい。私は、40年余りIT業界で働いてきた。
ITの出はじめのころ仕事をスタートし、IT市場の成長期(1980年代後半から90年代)に、様々なプロジェクトを通して、“ITの真の活用とは何か?”ということを学んできた。
2005年を過ぎるあたりからオープン化も一段落し、IT活用の方法は、多様化し始めた。また、この時代は、ITシステムの“産めよ、殖やせよ”の時期で、同時に過去に導入したITシステムのスラム化、陳腐化が、進行していった。導入済みの多くのITシステムの維持や、改善の課題が多すぎて、消化できなくなりつつあった。過去の仕組みを維持しながら、新たな仕組みを構築することの困難さが、企業におけるITシステムの大きな課題になっている。また、この期間に、IT活用の方法も多様化が進み、スクラッチで開発するという選択肢から、できるだけパッケージを活用しようという動きが増加した。ここ数年は、オープンシステムを各企業が維持する時代から、クラウド化や多様なIT活用方法を探して、できるだけ自前の仕組みは、持たない、IT資産を最小化し、複雑な仕組みの維持改善の労力を最小化する方法が模索されている。
私が、ラッキーだったと言えるのは、80年代中盤から90年代での間に、世界水準の上流の手法や分析設計のモデリング技法、自動化ツールなど、時代の先端の体系化の方法を学び、様々なお客様に適用してきたことである。
私は、時代のITの変遷を長期間にわたり経験したが、成功の原則は必ずあるはずと信じて、追求し続けようと心に決めている。
お客様に最適なITの徹底活用方法(今はやりのDXのこと)を、一緒に創造することは、私たちの理念であり、使命であると、私は考える。
しかし、多様な選択肢、多様な考え方、多様な技術故に、答えのある時代から答えを産み出す世界に、ITは、影響力を増大させてきているということを認識しなくてはならない。
それでは、どのような原則で、事業を考えて行ったらよいのだろうか?具体的に考察してみよう。
(その3に続く)