DX(デジタルトランスフォーメーション)推進コンサルティング 株式会社アイ・ティ・イノベーション

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「ライブ研修」成功のポイント


はじめに

こんにちは。株式会社アイ・ティ・イノベーション HRコンサルティング部の樋口はるかです。
私が所属するHRコンサルティング部は、国内研修・人材育成コンサルティングのサービス部門です。
昨今、新型コロナウイルス感染防止のため、働き方改革が促進し、人材育成の形式は「集合形式」から「オンライン形式」の研修へと在り方を変えようとしています。リモートでWeb会議システムを通して受講できる研修がクローズアップされる中で、アイ・ティ・イノベーションも2020年6月からZoomとGoogleを併用した、「ライブ研修~テレワーク de スキルアップ~」のサービスを開始しました。

ライブ研修は非常に反響も大きく、様々な悩みや質問をお受けします。
「オンライン研修の立上げについて聞きたい」
「自社で利用していないシステム・ツールを使うのは難しそう」
「どのように演習をするのか」
「集合研修のように、インタラクティブな研修にできるのか」

そこで本記事では、当方がアシスタントとして参加したライブ研修の知見やポイントを共有します。オンラインサービスをご検討の方に、少しでも役立つ情報をお届けできれば嬉しく思います。

<目次>
1 アイ・ティ・イノベーションのライブ研修とは
2 ライブ研修のメリット
3 アイ・ティ・イノベーションのライブ研修の取り組み(2つのWebシステムの内容)
4 集合研修とライブ研修の違い
5 ライブ研修をスムーズに開催するためのポイント
6 最後に
1 アイ・ティ・イノベーションのライブ研修とは

これまでのアイ・ティ・イノベーションの研修は、セミナールームに集合し、講師の講義を聴講、模造紙と付箋を用いて議論をして成果物を作成するグループ演習、演習結果の発表が基本的な形式でした。
新しいライブ研修は、受講者はリモートからZoomミーティングへ参加、講義は教材をZoomで画面共有しながら進めます。また、グループ演習ではGoogleドライブ内に格納されている演習用テンプレートを用いて議論しながら成果物を作成、演習結果発表はZoomで成果物を画面共有・Googleドライブでも成果物を確認できるような形式へと進化しています。

2 ライブ研修のメリット
  •  場所を問わない研修参加
  •  教育格差の減少
  •  移動時間の軽減
  •  実プロジェクトのようにアプリケーションを利用した発信方法の体験
  •  新型コロナウイルス感染拡大の防止

ライブ研修のメリットは、複数あります。
まず、リモートで自宅やオフィスから研修に参加できるため、勤務地による教育格差を減少させることが見込めます。これまでのアイ・ティ・イノベーションの研修は東京開催を中心としていましたが、ライブ研修で全国の方が物理的距離に関係なく、ご受講できるようになりました。また、自宅での受講が可能になることで、時短勤務や休職中の方にも研修を途切れることなく実施できるよう今後の教育の取り組みにも繋がることと予想されます。
また、ライブ研修の演習では、ファイルを共同編集しながら演習成果物を作成しますので、テレワークに変わり協働作業で苦労している皆様にも活用できるアイデアが満載です。

3 アイ・ティ・イノベーションのライブ研修の仕組み(2つのシステムを利用)

ライブ研修では、ZoomとGoogleといった2つのシステムを利用します。Zoomは講義を聴講するもの、GoogleドライブやGoogleスプレッドシート等は教材格納・演習ツールとして使い分けをしています。

Zoom=講義 Google=教材格納・演習ツール
■メインルーム
講義や演習結果発表時に利用し、研修の参加者全員が集まる場所。

■サブルーム
演習時に、グループに分かれて演習作業に取り組む場所。
メインルーム、別グループの声やチャットは見えないため、Help機能でアシスタントや講師を呼び出す。
講師は進捗確認のため、サブルームへ適宜入室。

■Googleドライブ(共有フォルダ)
・講師、受講生は教材フォルダより研修教材のpdf等、事前配布物を予めダウンロード可能。
・演習後の解答例配布やアンケート記入、修了証書の配布も対応。

■各グループ演習用フォルダ
・受講生は格納されている演習用テンプレートを使って成果物を作成。演習用テンプレートはGoogleスプレッドシート、スライド、図形描画などを利用。
・講師は演習作業を適宜確認することが可能。

4 集合研修とライブ研修の違い

「長い講義は飽きないか?」「顔を見たことがないグループ演習の議論が盛り上がるのか?」「演習で使うアプリがスムーズに使えるか?」といった、ライブ研修特有の問題を払しょくするため、以下の工夫をしています。

項目 集合研修 ライブ研修の工夫
講義 長時間の講義
対面での質疑応答
講義時間のコンパクト化
チャットで気軽に質問を送信
教材 紙教材 PDF教材をダウンロード
グループ演習 模造紙・付箋紙での成果物作成 Googleドライブで演習フォーマットを共同編集
しっかりした文章、概念図の作成
グループ分け・机の移動 Zoom機能「ブレークアウトセッション」で受講生をサブルームへ移動
演習発表・
フィードバック
模造紙を使った発表 演習フォーマットごと共有・画面共有
研修後は、ExcelやPDFにて持ち帰り可能
小休憩 通常1回10分 1回15分
在宅での十分なリフレッシュ時間を確保
アイスブレイク 自己紹介のみ Googleドライブでアイスブレイク用のフォーマットを共同編集
グループワークで利用するツールに慣れるために実施、自己紹介を兼ねる

特に、グループ演習でGoogleアプリを用いて作成した成果物は、模造紙・付箋で作る成果物に比べて、質の高い成果物が作成できました。
以下の成果物イメージは実際に受講生が作成したものです。

グループ演習時の接続イメージ Google=成果物イメージ

■Zoomのブレークアウトセッション機能を利用してサブルームで議論。

■Googleドライブにあるワークシートを使用し、グループ内で共同編集しながら成果物を作成。

■スプレッドシートの利用

■図形描画の利用

5 ライブ研修をスムーズに開催するためのポイント

①操作がスムーズにできるように操作マニュアルを配布
はじめてシステムを利用する方でも安心して操作できるように基本的なZoomの使い方やライブ研修の進め方をマニュアルにしています。オンライン研修に不慣れな方でも安心してご参加いただけます。

②当日接続できないという不安を払しょくするための接続テスト
当日ZoomやGoogleドライブへ繋がらないということをなくすために、事前確認として接続テストの日程を設けています。
研修前日までには、すべての受講者とZoomとGoogleの接続確認を終えます。

③講師と受講生が研修に集中できるようにアシスタントを設置
アシスタントは、チャットでの質問の確認や資料共有の補助、Zoom操作等をサポートします。講師が即座に対応できないことのフォローを行うため、講師も受講生も安心して研修に集中できます。

④アイスブレイクでリラックス
受講生の自己紹介と合わせて演習ツールの操作に慣れてもらうために簡単なアイスブレイクを用意しています。Googleドライブのツールを初体験の方でも操作の感触を確かめながら、楽しく参加できます。

⑤講義よりグループ演習で集中力をUP
Web会議で人の話を聞くだけでは会議が非常に長く感じます。研修でも、講義が延々と続いては退屈に感じるため、集合研修よりグループ演習に比重を置き、活発な議論に時間を取ることによって集中力がUPします。

⑥障害を想定したバックアッププラン
ZoomやGoogleドライブの障害はいつ発生するかわからないので、Web会議システムや演習作業のバックアッププランを設けています。
Zoomの代用としては、Google Meetでメインルームやサブルームを作ってZoomと同様の環境を設定します。また、演習の要のGoogleドライブの場合では、受講生にあらかじめ演習作業ファイルをダウンロードしてもらい、障害が発生した時にはローカル上で作業を進められるよう運用を考えています。

6 最後に

ライブ研修を実施するにあたって、メリットや成功のためのポイントをご理解いただけましたか。
今回私たちは研修サービスの継続のためにライブ研修という新しい実施方法について創意工夫しました。上半期も中頃を迎えるなかで最近ではイベントや有料セミナーのオンライン化が進んでいます。弊社でも7月に行われたITIフォーラムはウェビナー配信にて実施し、500人強のお申込みをいただきました。

本記事のポイントで記載した内容は、9割方が準備に関する内容です。準備をしっかり行うこと、リスクを予め予想して対策を打っておいたことがライブ研修の成功に繋がっています。
実際の研修時には複数トラブルもありましたが、研修内ですべてを改善することもでき、私たちも改善、対応方法の見直しなどができ大変勉強になりました。

働き方が大きく変わった今こそ、ITを駆使した教育を体験し、研修内容だけでなく、新しいシステムを利用することでの知見やノウハウを持ち帰っていただければと考えています。
そのためには、自社のオンライン研修に向けた課題を確認して、一つひとつの課題をどうしたら解決していけるのかを考えることが大切なプロセスなのではと思います。
新型コロナウイルスの収束を待つのではなく、ぜひ新しい育成方法の一つとして、考えるきっかけを持っていただければ幸いです。

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