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【連載:コロナショックをチャンスに】はじめに


 世界中が今、コロナショックの真っ只中、感染症に関する情報が四六時中流れると、誰でも考え方が暗くなるのも当たり前のことである。是非、ネガティブな報道ばかりの繰り返しは、やめていただきたい。必要以上に感情的になるべきではない。必要以上に恐れては、前に進む力が出ないのだ。何を見ても危ないと思うようになってしまうだろう。
 皆さん、こんな時だからこそ、冷静に、科学的に、事態を理解し、何かチャンスが隠れていないか、洞察するのだ。コロナショックは、世界中に未曽有のダメージを与えていることは事実である。しかも、世界中、平等に同様の被害が拡大し続けている。これは、滅多にないチャンスに繋がるかもしれない。チャンスをものにするには、“冷静な視点”と“急がず休まず”の強く前向きな心が要る。

 ところで、世の中で何が起こっているのだろうか。

・強いと考えられる国が甚大な被害。対してコロナウイルスにうまく対処している国
・儲けや徹底した効率化を目指し、成功モデルとなった企業はグローバルな分業とサプライチェーンを構築してきたが、機能するはずのシステムが分断、困惑
・人々は、安全確保のためほぼ強制的に、自宅に籠り、相当な数の人がテレワークを実施
・業種によりコロナの影響は異なるが、多くの企業が困難を超えて、ビジネスの継続努力中
・ICTを駆使したビジネス推進が企業で、学習が教育機関で進行、一方で大きな格差
・政治、行政、企業、そして医療の本当の課題が明確化
・サボって家でゴロゴロする人と工夫して仕事や勉強する人は雲泥の差に

 突然現れたこれらの状況は、民放で人気番組になっている「池の水を抜いてみよう」の世界バージョンのようだ。地球を“困っている池”に例え、コロナショックにより世界が止まって見える。濁った水でわからなかったことが、抜いてみると何があるかわかる。私たちは、止まった世界、混乱した世界の活動、日本の活動に注力すれば、様々なチャンス(池の底の宝)を発見できるはずだ。

 そういう訳で、明るく「コロナショックをチャンスに」というブログを書くことを決めた。私なりの分析を行い、私目線でテーマを決め、隔週で皆さんに問題提起をする。
さて、第1回は何をテーマにしようか・・・

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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