私が、十数年間書き続けているブログを通した縁があり、山口県周南市(徳山市を中心とした平成の市町村合併の結果できた市)を生まれて初めて訪問し、若手の先生向けに「ドラッカーの考えにもとづいた次世代リーダー育成セミナー」を行った。
周南市は、コンビナートとフグの産地で有名な町である。山口県は、北部の萩(吉田松陰で有名)長門(安倍首相の故郷)、西部の下関、宇部、中部の山口、南部の周南市(元の徳山)、光、東部の岩国などの地域に分かれており、小さい県ながら多様性がある。小中学校一貫校なども多く教育熱心な地区だと聞いている。徳山駅の山側には、毛利氏が治めていたこともあり、歴史を感じさせる閑静で落ち着いた街が広がっている。
ところで、縁とはありがたいものだ。
私のブログの内容に、周南市教育委員会関連機関の研究員の方が、興味を持ってくれたのだ。また、弊社は、社員数も40数名の会社なのだが、山口県出身の社員が2名居る。教育事業のコーディネータをしている社員が、教育委員会との調整役を買って出てくれた。いろいろ、話が進んでいくうちに、研究員の方が、弊社の調整役の弟の恩師であることも分かった。半年余りの間、様々な情報の共有、準備をしたのち、去る2月2日に、18名の若手教師(経験3-5年程度)に向けて、セミナーを開催することができた。ちょうど私の2人の息子の年代なので、私はお父さんだろう。
セミナー終了後の情報交換会も様々な夢の話、海外の話などで盛り上がり、楽しい時間を共有させていただいた。若手の先生を対象とした研修講師の経験のない私だが、研究員を含め教育委員会の方々の協力と熱意に助けられて、実のある研修が実施できた。また、周南市の若手の先生には、元気と温かい気持ちをもらった。
このセミナーで印象に残ったことは、若手の先生は、どの先生も、教育を少しでも良くしていこうという意気込み、熱意を持っており、私の講義を余すことなく吸収しようとしてくれたことである。このような状況では、私もいつも以上の熱さで、本気・本音で様々な可能性を考え、できるだけ次元の違う、私しかしていない体験や方法論を話すようにした。
今回の講義で受講者の印象に残ったことは、知らぬ間に自分に付いた思考の“くせ”を自己分析する演習である。受講生自身に一週間の間に起った事実を「13の落とし穴」と「達成の8つの原理」を自己評価し、隣の人同士発表し合うものである。(下記図を参照してください。)
各自の脳の中に無意識のうちに付いてしまっている“思考のクセ”を知ることで、自分の良い面、悪い面を納得できる形で深く理解する。自分の良い思考のクセを発見し、強みとして伸ばしてゆくきっかけにすることが、この演習の目的である。一般的に、人は自分の欠点、弱点はある程度理解しているが、自分の良い点は、あまり理解していない。気付きが重要なのだ。
最後に、若手の先生が、5年後の目標を宣言してくれた印象に残った言葉を紹介したい。
・私は、生徒同士が、自主的にチームで勉強するようになり、教師がいらなくなるようなクラスの在り方を目指します。
(林のコメント:AIなどの技術が発達し、教授法も進歩することで今の先生の教えるということは、変わるかもしれませんね。心配ありません。先生には、やることは山ほどあります。本当の人間の教育は、人間にしかできませんので。)
・私は、もっと音楽の教育に磨きをかけたい。また、英語にも大変興味があります。
(林のコメント:音楽を英語で教えるようにしましょう。単に英語を学ぶことには、それほどの価値はありません。音楽を英語で教えることこそに本当の価値があるのです。)
・私は、スーパー体育教師になります。身体、教授法ともにスーパーになり、新人の教師も立派に成長させます。
(林のコメント:スーパーの意味は、卓越性です。自分自身がスーパーになり、さらに若手にも教える。是非、すばらしい体育の先生になってください。)
今回のセミナーは、弊社の社会貢献活動(CSR)の一環でお引き受けした。私は、若手が、次の時代を創っていくお手伝いをしたいと考えている。若い人たちの成長が、日本の将来を決める。
もう一つは、自分自身も知らない世界の勉強をし、刺激が必要であると感じている。
何かを求められることは光栄である。
求められるとやる気が出る。
やる気が出ると楽しい。
楽しいからやる。
やるから伸びる。
また、やる。
※「ドラッカーの考えにもとづいた次世代リーダー育成セミナー」にご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、下記宛先までお気軽にご連絡ください。
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