【質問】
PMOで標準を作りましたが、プロジェクトでは仕方なく使っている感じで、かなり形骸化している気がします。(43歳男性)
【かずみ先生より】
PMOの活動の中で、標準を作るのは大変な活動ですが、標準化したものを作ってもらうのもまた大変な活動です。そして、使ってはいるけれど、面倒くさそうにとりあえずやりました・・というような事もよく見られます。
標準化の定着にはいろいろ施策を打たなければならないとは思うのですが、今回は指導という観点から考えてみます。
最近各企業様のマネージャの方々とお話する機会が多いのですが、皆さん部下の育成に悩んでいらっしゃいます。
企業で専門家を迎えてマネージャ向けのコーチング研修をする場合もあるでしょうし、企業独自のマネージャ研修をされている場合もあるかと思います。
それでもマネージャの皆さんから「言ったことしかやらない部下がいる」「言ったことすら出来ない部下がいる」「言ったことと違う結果が返ってくる」という声をお聞きします。
(かずみ先生)「次にすることを考えない部下がいるのであれば、次何をしなければならないと思うか聞いてみたら?」
(某マネージャ)「でもそう聞くと黙り込んでしまう。」
(かずみ先生)「では、先何をするか思い浮かばない部下に対しては、ある程度導いてあげるしか無いのでは?」
(某マネージャ)「導いても、その作業の結果は期待と全く違うものになる。」
(かずみ先生)「ではより具体的に細かい指示をしては?」
(某マネージャ)「そこまで言わないと仕事が出来ないのかなぁ。」
自分で次を考えて仕事をする部下、きっかけを与えれば進むことが出来る部下、きっかけを与えてもわからないので具体的な作業まで落とし込む必要がある部下、更にもっと細かく指示を出さなければ作業が違う方向に向かってしまう部下。
コーチングが絶対良い、ティーチングが絶対良いということはなく、どのように対応するか、どの程度細かく指示を出すかは部下毎に違うのです。
これは、PMOの立場でも同じかもしれませんね。
キチンと標準を理解して使っているプロジェクト、とりあえず標準に則れと言われたから使っているプロジェクト、どう使って良いかわからず逃げているプロジェクト、これらプロジェクトに対して同じような接し方をしても、ばらつきは埋まらないのではないでしょうか?
相手のレベル、理解度、前向きさに合わせて対応が違ってくるのでしょうね。