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プロジェクト、問題の予兆を捉える


 同業者で、講師としてプロジェクトマネジメントを教えている方とお話しをする機会がありました。

 プロジェクトは、立ち上げ・計画時に明確なプロジェクト憲章を作成し、かつきちんとした計画の立案が求められます。その中でも、特にプロジェクト特性を踏まえたリスクとその予防策、発生時対策を洗い出し、実現可能性のある計画を立案することが大変重要です。

 そしてその計画に則りプロジェクトを遂行して行くためには、プロジェクトマネジャーが、プロジェクトを適切に監視・コントロールすることが求められます。

 ところが、この監視・コントロール部分に関するディスカッションを講師の方が受講生の方としたところ、???と感じられることがあったとのことです。

 例えば、プロジェクトメンバーが不安そうに進捗報告をしているシーンをプロジェクトマネジャーが見かけたとします。

 そのように見えたということは、現時点の報告内容は妥当だが、今後の作業に何らかの不安を抱えているのかもしれません。または、本当は予定通り作業が進んでいないにも関わらず、自ら抱え込んで予定通り作業が進んでいる報告をすることに後ろめたさがあるのかもしれません。もしくは計画しているスケジュールが妥当なのか、本人に確信が持てていないのかもしれません。
などなど

 通常と異なるプロジェクトメンバーの様子は、プロジェクト運営に足かせとなる予兆なのかもしれません。

 しかし???と講師が感じた点は、受講生の方はこのようなシーンにおいて、次のようなことを言われたとのことです。

 「報告書上はスケジュール通りであり、課題の消化状況も予定通りなので問題ない。」

 と判断された点です。

 これは一例ですが、その他にもプロジェクトの実行段階において、問題の予兆を捉えるケースを出しても、???と思われるような判断を下されたとのことです。

 このような判断に至った背景は、受講生がこれまで自分だけの判断ですべての物事を遂行出来てきた環境で育ってきたのかもしれません。もしくは人に関心が無く、PC/書面上の情報だけで判断し続けてきたのかもしれませんし、それ以外の要因があるのかもしれません。

 ただいずれにしても、プロジェクトは人と人とがチームとなって取り組むものです。

 科学的に定量データで判断することは大切ですが、その定量データそのものが本当に正しいのか、なぜそのようなデータになったのかは、プロジェクトメンバーと会話し、資料を確認する現地現物で確認することが一番確実だと思います。

 プロジェクトに潜む問題の予兆を捉え、皆様のボール(=プロジェクト成功のQCD)が、無事ゴールに入りますように!

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竹内博樹
1991年 筑波大学卒業後、三和銀行のシステム子会社である三和システム開発株式会社(現、三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社)入社。同社にて銀行業務のリテール、法人、国際の各分野において、大規模プロジェクトにおける企画・設計・開発に、主にプロジェクトマネジメントを実行するマネージャとして携わる。また開発後の保守にも従事するなど、幅広い業務でマネージャとして活躍。2004年より当社にて、大規模プロジェクトにおけるPMOの運営およびプロジェクトマネジメント支援や、IT部門の組織改革等、幅広くコンサルティングを手がける。 保有資格:情報処理 プロジェクトマネージャ、PMPほか。PMI会員、PM学会会員。

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