【質問】
ロールモデルとなる女性の先輩がいません。(32歳女性)
【かずみ先生より】
IT系の人材育成を仕事としている私にとって、最も苦手な質問の一つです。
ダイバーシティー~会、女性の社会進出を考える~セミナー等でも取り上げられるロールモデル。
女性のロールモデルとしてよくある例は
・育児休暇を取得した後も子育てと仕事を両立している女性
・管理職になってバリバリ働いている女性
・起業した女性
このような感じでしょうか?
私は昔から“ロールモデルとなる女性の先輩”を必要としてきませんでした。
家庭との両立をしている女性がいても、同じ年齢で結婚や出産ができるわけではありません。家庭環境が違うので周りの協力度合いや協力の仕方も違います。
同じ会社で管理職となっている先輩とは強みや能力の違いもあります。
同じ人生が歩めるわけではないので、自分は自分、一人の人のすべてをロールモデルとするのではなく、「模範・学習の対象となる部分」を男女問わず参考にすればよいと思っていました。
このようにロールモデルの必要性を理解していないため「会社にロールモデルがいません」という相談に対して「じゃあ、自分がロールモデルになればよいでしょう」というアドバイスをしていました。
話は変わりますが、私は相当若いころから、仕事では常に“姉さん”でした。プロジェクトを見渡すと女性の中で一番年齢が上。
この業界には私より年齢が上の女性の採用が少なかったのではないか、大半は仕事を辞めたのではないかと思っていました。
この間、同業種、同世代の女性Aさんと食事をしていた時、「私は常に姉さんがいるプロジェクトで仕事をしている」というのです。驚きでした。
彼女はロールモデルを探し、参考になる女性がいるところに転職までしているのです。
そうだったのか~。ロールモデルを必要としている女性は、(潜在的かもしれませんが)そのような企業やプロジェクトを探し、そこに従事するように働きかけているんですね。
私は必要としなかったので、女性がいない環境でも何も考えず参画し、そしてその後女性が増えていく。だからいつも私は“姉さん”。
Aさん曰く「自分が仕事をしていくイメージ」があればよいそうです。
私みたいに「他の人と同じ人生歩めないし、能力違うし」というようなロジカルなことを考えてはいないそうです。
「あなたがロールモデルになればよいのよ」というアドバイスは的外れだったのか~。
自分の部署にいなくても他の部署にいるかもしれません。他の部署にいなくても社外にいるかもしれません。もう少し外に目を向けてロールモデルを探してはいかがですか?
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以前一緒に仕事をしていた女性アッコちゃん。
アッコちゃんがパワーポイントで作っている資料を覗き見た時のこと、なんと作った7割がスライドの枠からはみ出しているのです。スライドショーにしてみるとほとんど表示されず何を書いたのか全く分からない。
作成途中だったので、アッコちゃん曰く「あとで修正するつもりだった」とのことですが、最初から枠を意識して作る私には衝撃の光景でした。
アッコちゃんから仕事の相談を受け、指導をしたこともあったのですが、枠にとらわれないアッコちゃんを、私の考えや枠にはめては彼女の良さが活きないのではないかと、改めて育成について考えさせられた事件でした。