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「チャレンジした者に、失敗を許容する組織は、発展する」


 私が、いろいろなお客様とお話しして感じることは、世の中にある会社は、
失敗を許さなくなってしまったということである。よく失敗の中に成功の元が存在すると
いう話を聞くが、どう解釈すればよいのだろうか。

 私流の理解を説明しよう。

 世の中の成功者の多くは、失敗から多くのことを学び、成功へのノウハウにしてきた。

 だからと言って、やたらとチャレンジしたり、百に一つの可能性のない失敗を繰り返して良いというものではない。チャレンジには、明確な意図がある。言い換えれば”大きな志”が、背景になければならない。志とは、その人の中から熱い思いと共に湧き上がってくるもので、何かを実現したいという強い思いなしに、何事も成し遂げることはできない。チャレンジとは、そのような状況から生まれるものだ。

 強く継続性のある意図が背景にあり、覚悟し、チャレンジした結果、たとえ失敗したとしても、それは、大きな学びにつながると私は考えている。多くの企業では、企画書の審査や稟議がある。要は、使い方である。地位や権限を重視し、形式主義でものごとを判断する本当の挑戦をさせない企業は、先細りで、やがて優秀な社員を失い、業績も低迷するだろう。

 経営者は、いまこそ、失敗を恐れず、チャレンジする熱い心を社員に植え付けることを考えるべきだ。未来を創ることは容易ではないが、過去にぶら下がるほど愚かなことはない。我々に与えられている真の課題は、「熱い思いやぶれない、あきらめない志の醸成」である。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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