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【第18回】他業界のPMO設置事例 (1)


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お久しぶりで~す。少しの間お休みしていましたが今週から復活します。V(^o^)
引き続きよろしくお願いします。

ではでは...
ブログの第1回で自己紹介させていただきました通り私はIT系(通信系かな?)で仕事をしてきたので、今まではITプロジェクトのPMO経験を元にブログを書きましたが、一度だけ他業界の支援をしたことがありますので、今回は他業界のPMO設置及び支援事例をご紹介します。
私がPMOとしてプロジェクトを支援したのではなくPMOを設置したが十分に機能していないというご相談でした。

どのような会社、どのようなプロジェクトなのか

医薬品業界で、ご依頼があったのはCRO(シーアールオー:Contract Research Organization:医薬品開発業務受託機関)です。
製薬メーカーが開発した薬は、治験(臨床試験)で人への安全性・有効性を確認・検証し承認されてようやく製造・販売ができます。そして販売後も調査(臨床試験)が行われます。
この治験(臨床試験)は製薬メーカーの仕事なのですが、治験の様々な業務を代行・支援する組織(企業)がCROです。

治験というのは、以下の3つが主な業務です。

      (1) モニタリング業務
      各医療機関で患者さんに新薬を投与し、症例を集める必要がありますが、順調に症例が集まっているかを確認する業務です。
      (2) データマネジメント業務
      症例のデータを入力・チェック・修正・管理する業務です。
      (3) 統計解析業務
      治験結果を分析して効果があるかを証明する業務です。

1つの新薬に対してこの一連の業務を販売前と販売後で計4回(フェーズⅠ~フェーズⅣ)行いますが、1つの新薬の1フェーズを1プロジェクトと捉えています。
ちなみに、治験は薬やフェーズによって様々ですが、3~10年かかるとても長いプロジェクトで、IT系のプロジェクトでは長くても2、3年ですから気が遠くなるほど長いプロジェクトですよね。

PMOの役割は

今回のお客様A社様においては、PMOはプロジェクトを支援する集団...ではなく、プロジェクトマネージャの集団と位置付けています。治験開始時(早ければ製薬メーカーに対する提案段階から)にPMO責任者がPMOメンバーの中からプロジェクトマネージャを選定して、各プロジェクトに配置します。
プロジェクトマネージャ1人で複数プロジェクトに携わります。

何が問題なのか?

私が携わった頃、医薬品業界ではプロジェクトマネージャという職務はあまり認知されていませんでした。
よって、「あなたはPMOの一員で、プロジェクトが発足したら任命しますからプロジェクトマネジメントを行ってください」と言われても何をすればよいかプロジェクトマネージャ(PMOメンバー)自体がわかっていないのです。
またプロジェクトメンバーであるモニタリング担当者、データマネジメント担当、統計解析担当の方々は皆さんプロフェッショナルですから、それぞれの業務の遂行については自信を持っていますので、プロジェクトメンバーからもプロジェクトマネージャの必要性を感じてもらえません。

このように書くとIT業界の方々は
「プロジェクトメンバーは皆プロフェッショナルだから任せておけばいいんじゃないの?PMいらないじゃない」とか
「5年とか7年のプロジェクトであれば、ちょっと遅れても巻き返しできるんじゃない。こっちは6ヶ月でシステムを完成しなければならないから1か月の遅れが致命的なんだよ」
とか思ってしまいますよね。
でもITシステム構築では前工程が遅延していた場合、当初2か月の期間で計画していた次工程を、人を投入して1.5か月で仕上げる、なんていうことはよくあります。人を投入すれば生産性は落ちるものの、ある程度期間を短縮することができます。

しかし治験では、患者さんに薬を投与する回数や投与する間隔を変更することはできませんし、必要な症例数にも決まりがあるので、参加してもらう患者さんが集まらなかった場合や、症例データに漏れや誤りがあった場合、計画した期間で治験が終わらなくなってしまいます。
よって、IT業界よりもっと進捗管理はシビアなのです。

ということで、「プロフェッショナルのプロジェクトメンバーに任せておけばよい」ではいつまでたっても個人のスキルや資質に依存してしまうので、マネジメントを行い進捗管理やリスク管理を徹底する、そして計画通りの時期に治験を終了し次のステージに進む必要があります。

追伸) 医薬品業界の方へ
本ブログをみると「CROの認識違うよ」とか「言い回しが違うよ」等のツッコミがきそうですが、何分素人ですので大目に見てくださいませ。

あらら、CROの説明で終わっちゃいました。ゴメンナサイ。
では次回はこのPMOに対してご支援した内容を紹介します。

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久々のブログ更新、読者の方が離れてしまったらどうしようってちょっと心配です。読んでもらえるかしら?
「お~い、みなさ~ん、戻っておいで~、こっちだよ~。」

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Profileプロフィール

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関和美
奈良女子大学 理学部 物理学科(現 物理科学科)卒業 日本電信電話株式会社に入社(NTT分社化によりエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に転籍)。主に金融系のSEとしてNWシステム 構築の設計、アプリケーション開発の要件定義、設計工程を経験し、その後プロジェクトマネジャーとしてプロジェクトに携わる。 2007年より現職。大規模プロジェクトにおけるPMO(Project Management Office)の運営およびプロジェクトマネジメント支援や、IT構想企画の支援を行っている。PMP。

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