前回はPMOへの要求事項はトップダウンとボトムアップ両方からアプローチする必要があると書きました。
では私の実体験を例にしてみましょう。この例は、以前ご支援していた製造業A社のお話です。
何時までたっても安定しないシステム
A社の大規模システムのPMOメンバーとして参画することになりました。ユーザ企業のPMOという位置づけです。初期構築から1年近くたっていますが、サービス追加・サービス改善のための追加開発を行っています。
<プロジェクトの特徴>
<問題>
上記理由により、PMOを設置することになり、私も含めて4人がPMOメンバーとして参画することになりました。
恐ろしい要求が・・・
A社の組織長がまとめたPMOのスコープです。
これを見た瞬間
「???アレッ?PMOの仕事多くない???」
「要件定義、基本設計ってPMOの仕事だっけ?」
「っていうかPMOにアサインされたの4名だしっ!」
とパニックです。
無理です。作業ボリュームもさることながら、スキル的にこれを全部できるスーパーマンみたいな人、そうはいません。
まずプロジェクトを見てみる
このようなトップからの要求が目の前に出されると何をしてよいやら検討がつきません。
「第3回PMOの役割」であげた「実プロジェクトに参画し管理や技術支援を行うPMO」「プロジェクトマネジメントや開発の基準・標準を作成するPMO」「プロジェクト状況をまとめ組織長に報告するPMO」のすべてを盛り込んだ要求です。
検討がつかないなら、開発ベンダとの進捗会議に参加してプロジェクトの状況の確認を始めました。
開発ベンダB社にはリリース毎にサブプロジェクトの体制を作っています。
進捗会議の状況はというと・・・・
<サブプロジェクトCの進捗会議>
「設計レビューでのA社側からの指摘が多すぎる。ちゃんと要求事項を理解しているのか?そもそもどのようなサービスはわかっているのか?」
<サブプロジェクトDの進捗会議>
「試験のちゃんとやっていたらこんなことになるはずがないだろう。」
<サブプロジェクトEの進捗会議>
「リリース失敗したじゃないか。なぜリハーサルでミスを発見できなかったのか。」
とA社の怒号が飛び交います。そしてB社は疲弊しています。
この会議は毎週同じような状況が続いており、以下が問題ではと考えました。
次はA社内の活動をみることにしました。ちょっと長くなるので、続きは次回ということで。
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4月27日の夕方に喉の痛みが出てきました。今年初の風邪の兆候です。でもなんでGW直前なのよ!そして、GW明けても鼻がムズムズ。元気が取り柄だったのに…なんだか長引きそうです。