9月10日に、高校時代の同窓生と会を催した。集まったのは、男女合わせて9名、皆、50代後半である。仕事も家庭も終着点が見えてくるころだ。同時に、これからの20年の計画をする段階になる。それぞれ、立派にポリシーを持って生活をしていると思われるし、ここ数年は、年に2、3回、顔を合わせているので、気心は知れている。仕事の話も出るし、家庭や将来の話もフランクにできる仲になってきている。今回は、この秋の正規の同窓会の打ち合わせと兼ねて、イラクに赴任するS君、また、同じ9月に東京を離れることになったEさんを見送ることにした。
ところで、S君は、JICA(Japan International Cooperation Agency)所属だとすると、やはりそうかと思える野性的で泥臭い風貌も兼ね備えている。勿論、環境が過酷な海外で大変な苦労をして仕事をしてきたと思うが、9人に中で、だれが、JICAかと問えば、誰でも、間違いなく、躊躇なくS君を指名するだろう。まことに、風貌、仕事、考え方など、所を得た人だ。(ある意味では、うらやましい。)
S君とは、同じ高校の同級生であるが、高校時代には、特に付き合いはなかったが、東京での同窓会での再会をきっかけにいろいろな話をするようになった。私は、再会した数年前、S君のJICA所属は、知っていたが、よく酒を飲み、カラオケマイクを離さない明るい人という理解をしていた程度だった。
しかし、2年前に、自社の社員の採用のためにJICAを訪問してから、JICAの海外支援活動の意義や働いている人とも接することができ、日本の国際支援活動の立派さや苦労を理解することができた。また、JICAの幹部の方に自社で講演してもらったことも身近に海外支援活動を思えるようになった。S君が、採用の責任者であることが、きっかけでJICA出身者をつい先月に1名採用できた。わが同窓生の中にもT君がJICA出身者である。
さまざまな人がさまざまな考えで海外支援活動をすることは、事実であるが、共通することは、「志」を持っていることと「我慢強い」ことだ。確かに面接してみるとこのことを強く感じる。“「志」が、なければ、わざわざ、海外まで行って支援活動を何年もできないよ!”ということである。
S君は、農学部出身であり、以前にイスラエル、東チモールなどへの赴任経験がある。今回、S君は、現地のチームと合流して8名程度で、9月末からクルド人への農業指導のためにイラク北部のクルド人地区に単身で赴任する。この赴任で定年(58歳)になるので、今の立場では、最後の赴任になるそうだ。なぜ、イラクなのか。なぜ、クルド人の支援なのか。私は、この際、海外支援活動について深い関心を持つことができた。
我が国の海外支援活動は、多岐にわたっているが、正確には、知られていない。JICAは、かなりの情報公開や広報活動も続けてはいるが、国民は、関心がない人が多いのも事実だ。
私は、応援する!
JICAをはじめとするイラクでの支援活動の皆さん、頑張ってください!!!
無事に、使命を全うされ帰国されることを願っております!!