数日前、友人と会食のあと、年に2、3度立ち寄る永田町近くJAZZバーへ行った。9時近くになり、ほろ酔い気分も最高。美味いものを食べた後は、やはりJAZZが、良い。CDが、見たところ数百枚以上あり、50年代から80年代が盛りの有名どころのミュージシャンは、ほとんどここに居る。居ると書いたが、正確には、有名JAZZミュージシャンのCD(古くは、レコード、アルバム)は、ここにある。
さて、最初に私が、選んだのは、クリフォードブラウン・ウイズ・ストリングス(1955年)である。私は、少なくともこのレコードを3回は、買っている。最初は、自分のために、次は、彼女へのプレゼントのために、そして磨り減って買い換えたために、また次にプレゼントのために。今年、あるコーチングの先生に推薦したらちゃんと自分で買ってくれていたのを確認した。「どうだった?」との問いに彼女は、「いいね!」だった。その言葉だけで幸せな気分になれるのは、不思議だ。
今は、ほとんどのJAZZアルバムは、CDで手に入る。でも、昔のLP版を、アナログの音で聞き込むのもまた良い。JAZZは、モノラルのAMラジオの音で聞くのも趣がある。特に、ベニーグッドマンのクラリネットやグレンミラーオーケストラもAMの音が似合う。現代のデジタル技術で、良い音源のクリアな音を聞くのも良いが、時には、前時代の音源が、醸し出す雰囲気は、妙に落ち着く。年のせいかな?大人の癒しは、このようなものから得られるのだ。
元の話に戻るが、クリフォード・ブラウンは、1950年代に活躍した若手天才トランペッターである。交通事故で惜しくも20代で亡くなったが、亡くなるまでの直前までの3年間に、10数枚の名盤を残している。彼の出す音は、温かみがあり、計算された賢い音だ。そして、やさしさもある。ストリングスとブラウンのソロは、とても上品ですばらしいし、ピアノ、ドラムス、ベースにトランペット、サクソホーンなどを組み合わせたモダンジャズ奏者としての、特にアドリブは、聞き手の頭の中で踊り、残る。
トランペット奏者での巨匠は、マイルス・デイビスが、第一人者とされているが、あまりにもクールで、地下室で一人ぼっちの心境になる。少なくとも血が通った温かみは無く、切れ味の良い天才の音である。マイルスもとても優れたJAZZマンであることは言うまでも無いが、私は、クリフォード・ブラウンが好きだ。もし二人が、どこかで、セッションを行ったらどのような音の構成になるか想像し難い。特にJAZZでは同じ楽器とは思えないほど奏者によって音まで異なってくる。これは物理の法則には、当てはまらない新たなテーマになりそうだ。楽器は、楽器の性能以上のものを優れたミュージシャンは、引き出すと思われる。ここで言う、“以上”とは、心や魂の叫びのようなものだ。
さあ、今度は、どの店にライブを聞きに行こうか!
忙しくて苦しんでいる人こそ2時間あれば、音楽で気分転換できる。JAZZは、お薦めですぞ!
ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガード、ブルーノート
ロンドンのロニースコッツ、ピザ・イクスプレス
神戸のソネクラブ
名古屋のマイルス、スターアイズ ・・・・ など