前回のメルマガでは、IT化の構想・企画段階における“業務・システムの概要定義(What)”、つまり今後の業務の概要、必要となる役割や組織、情報システムの構造、現状からの移行を検討し、その実現性や効果を確認することで“どのような業務・システムを実現するのか?”を明確にすることについてお伝えしました。
さて“業務・システムの概要定義(What)”が終わったら、最後は“実現シナリオの策定(How)”を実施することでシステム企画書は完成します。ここでは投資可能額、ビジネス上の必要性、投入可能な人的リソース、他システムとの依存関係、システム化領域などの観点から、開発するシステムを適切な実行単位に分けて、各プロジェクトの目的や前提・制約事項を明確にします。
その作業は、下図の“3.実現シナリオの策定”に書かれたプロセスに該当します。
ここで行う内容は次のとおりです。
またこの作業を進めるために大切なことは、次のとおりです。
なおこの“実現シナリオの策定(How)”で作成する、システム企画書の目次例は次のとおりです。
5. 実現のシナリオ
5.1 開発プロジェクトの定義
5.2 開発優先順位
5.3 全体スケジュール
6. 基本方針
6.1 開発方針
6.1.1 開発体制方針
6.1.2 標準・規約利用方針
6.1.3 開発環境方針
6.2. 移行方針
6.2.1 業務・組織の移行方針
6.2.2 機器・アプリケーションの移行方針
6.2.3 データの移行方針
6.2.4 移行状況の報告と完了判定
6.2.5 コンティンジェンシープラン
6.3 運用方針
6.3.1 運用体制の方針
6.3.2 運用業務の方針
6.4 教育方針
6.5 システム資産調達方針
6.6 外部委託方針
6.6.1 委託業務の方針
6.6.2 選定方法
7. リスク評価と対策
8. 費用対効果
8.1 開発費用
8.2 運用費用
8.3 費用対効果
システム企画書の承認が下りたら、いよいよプロジェクトの開始です。