ある人に、ガウディの伝言 (光文社新書、外尾悦郎著)という本を紹介されすぐさま、本屋を何軒も回りやっと手に入れ、一気に読んだ。
ガウディの知らない面や新しい発見が多数見つかり私の中のガウディ像は成長した。実は、私は1986年の1月に、ロンドンでIT方法論の勉強していた頃、休暇中に一人旅でバルセロナに行った。そのときに一生懸命石を彫っている33歳の外尾さん(現在は、57歳)に会った。サクラダファミリア教会で唯一アーチストとして働いている日本人であった。私は、この教会に観光でたまたま訪れ、構築中の教会の中を自由に見学でき、若き日の外尾さんに会うことができた。一言、二言声をかけたと思う。このスペイン、バルセロナまで来て、石を彫っている日本人が居るなんて何か理由があるに違いないと考えた。
その後、何年もかかってサクラダファミリア教会の棟梁になり、ネスカフェのコマーシャルにまで登場したことも知っていた。しかし、今回、この本を読むことで、これまで外尾さんが、ガウディの意志を完成させるために大変な努力をして仕事をしてきたことが、あらためて分かった。直接出会っているだけに、外尾さんを身近に感じことができるのです。
偉人・賢人は、諦めない心を持っていることこそが、本当の実力ですね。最初は、普通の人が、何かを本当に決意し、まっすぐな志を持てば、道が開けて、困難な目標を成し遂げることができると思う。本書は、お薦めです。私は、本の感動が冷めないうちに、読んだ本を、妻に渡した。
妻から、数年前に手渡された「木のいのち木のこころ(新潮文庫、西岡常一著)も
宮大工の棟梁の話でお薦めである。法隆寺金堂、薬師寺金堂など復興を果たした 「最後の宮大工」西岡常一さんの話である。「ガウディの伝言」同様に感動できると思う。
「ガウディの伝言」本書からは、プロフェッショナルとは何かという課題に対するひとつの答えが得られたと思う。
プロフェッショナル成功の要件は、正しい生き方、考え方、価値観を持ち、経営や事業と人が貢献する概念を理解すること
・プロフェッショナルとしての強み(卓越性)を持つことマネジメント力や技術力等
・生き方、技術とは違う美学を持つこと
・目標を一旦決めたら少々のことでは諦めない心を持つこと
が大事だと私は、考えている。
仕事に取り組むとは、どういうことなのかを考えさせてくれた。