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情とは何か。


情とは何か、なぜ必要なのか考えてみたい。

「情」という言葉を辞書で引くと、以下のような意味が、載っている。

1. 物に感じて動く心の働き。感情。
2. 他人に対する思いやりの気持ち。なさけ。人情。
3. まごころ。誠意。

本来の意味は、「物に感じて動く心の働き」や「人に対する思いやりの気持ち」
のことを示すのだろう。人は生まれてから成長するまでの過程で、様々な人、動物、物、出来事と遭遇する、それらに対して何かを感じ、心が動かされることになるだろう。

この時期に、親の役目は大きい。親は、正しい道と情というものをしっかりと認識し、意識的に子供に教えなければならない。時期を逸すれば、バランスを欠いた人が生まれてしまう。

人は、成長にしたがって、夢や目標を持ち、何かに拘って活動することになる。この拘りや夢があるから人間は、頑張りが利くのだ。言い換えると、夢は、心の動きが、持続する何者かである。
目標と持続力の源泉は、心(情)であると私は、考えている。

人により、状況は様々であるが、何かを達成した人を見ると、かならず、「情」(心が動く。思いやり。こだわり。)が伴い、いくつかの困難を乗り越えて成功まで進んでいることがわかる。理屈ではない何かが、力になっているのだ。意識的か無意識かは問題ではない。論理的に合理的にこうすれば成功する式の教科書があるが、それだけでは、成功には程遠い。理論やセオリーを学習することは、必要条件であるが、それだけで成功できる訳はない。人間の理性は、情と論理の二面性で成り立っている。情が論理を支配しているといっても良い。情は、人が生きていくために必須のもので最も大切なものである。

では、情の対象を現在の厳しい環境において考えてみたい。

近頃、世の中は、不況になって、心無い話を見たり聞いたりする機会がかなり増えてきた。会社がやっていけなくなったら人情が無くなるのだろうか?今まで生活を支えてくれた会社や人が、今までのようにうまく機能しなくなったとき、人は、何を頼りに生きて行ったら良いだろうか?絶対的な答えを見つけようとすることは、誤りであると私は思うが、何が必要なことか考えるには、良い機会である。
 
不況のときほど「情」がある人と無い人が明確になる時期は無い。本物と偽者の境界線がくっきりとするのを私は、感じている。むしろ、この原理がわかっていれば、誰と付き合えばよいかわかりやすい。誰もが、困っているときに、自分勝手な振る舞いをしたり、自分だけ得しようとする人が現れる。実は、好況の時期には、目立たなかっただけで、本来の姿に戻ったに過ぎないのだ。私は、このような人には、特別、怒りを覚えるが、本当は、可哀そうな人なのだと思う。

彼らは、子供の頃の親の愛情が薄かったり、間違った人に対する認識を身に着けてしまったに違いない。家庭環境や成長過程での学校の環境が影響するだろう。残念なことに情は、見ることも触ることもできないもので、個人個人が認識するものだ。その人個人の認識の問題であるが、組織の中では、様々な、悪さを引起す。認識がない人に認識させることは非常に難しいために、しばしば、解決できない問題になる。

一方、不況のときこそ、私利私欲を捨てて、組織のために一肌脱ぐ人がいる。好況の時に目立たなかっただけでその人は、本来の姿に自然に戻っただけなのだ。この様な人は地味な人が多いため見過ごされるが、こんな人がすばらしいと思う。内に秘めたしっかりとした情を持っているのだと思う。

今からでも、遅くはない「自分の情」の自己点検をしよう。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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