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私の異文化体験(その4) 英国生活編・遊び編


80年代の海外出張や駐在員の生活は、今の海外駐在の人たちと比較するとのんびりしていたと思う。
当時の私の会社の方針は、海外に赴任したらすべて自分の力で生活の準備をすることが、最初の仕事であった。
自分でフラット(アパート)を探し、契約など交渉ごとを自分で行った。光熱費の支払いやテレビなど電化製品の設置、子供の学校、その他生活面について、自分で情報収集し自分で行うことになっていた。
銀行での口座開設、小切手帳の入手も仕組みが理解できていないので面倒くさかったが、やるしかなかった。小切手帳は、憧れだった。アメリカ映画でスターが、小切手帳を差し出し、カジノで金額とサインを記入して手渡すシーンを思い出すことができるだろう。かっこいいと思った。自分の小切手帳ができるのだ。
今は、ほとんどクレジットカードに取って代わられ使われていないが、当時はヨーロッパのビジネスマンの常識だった。
私のロンドンでの宿として、最初は、貸し部屋をしている一般の家庭に2週間程滞在し、気に入ったフラットを探すことにした。ブラックフライヤーズブリッジから30分程度地下鉄に乗って通勤できる場所であった。その後、英国博物館近くのラッセルスクェアにあるフラットを借りて、帰国まで過ごした。今年ロンドンではテロがあり、赤い二階建てバスの二階部分が吹っ飛んでしまった光景が、報道されたのは記憶に新しいが、まさに私は、その近くに住んでいたのだ。人事ではないと感じた。

海外に長期滞在する場合、週末の過ごし方次第で滞在の楽しみが大きくなる。
私は、英国へ到着したその足で私の会社の駐在員が、ピカデリーサーカス(東京で言えば銀座)近くのゴルフショップへ連れて行ってくれた。
せっかく英国へ来たのだから本場でゴルフぐらいやらねばいけないと言う。私は、ゴルフはもともとやる気は無かった。駐在員が熱中していて一生懸命仲間に入れようとしていることは見え見えであったが、すんなり勧められるままにクラブ一式を購入してしまった。このような潔さは、私の特徴だ。時々、このような形で何かを始めてしまうことがある。
(ヨットを始めるきっかけも似たようなものだ。)
さて、その週の週末はゴルフに行くことになった。一回もやったことの無いゴルフを英国へ行ったばっかりに始めることになった。その週末に何も知らないまま1番ホールでティーショットでは、トラブルことは間違いなかったので、とにかくボールを前に進められるように、道すがらロンドンでは数少ない練習場へ行った。
兎に角、ゴルフというものを生まれて初めて経験した。
140−150打は、叩いたはずだ。横に行ったり、チョロったり、走りっぱなしのゴルフであった。その後ゴルフには、滞在中に10回ほど行った。帰国後も日本のゴルフのしきたりが、厳しいことと行くのに時間が掛かるという理由から付き合い程度にしかゴルフをしていなかった。だが、2年ほど前から突然面白くなり、今では、年間20、30回はプレイしている。私が、いま現在、ゴルフを楽しめるのもゴルフに熱を入れていた英国の駐在員のお陰である。本当に感謝している。

英国生活で週末の次に大切なことは、夜の過ごし方である。夜とパブは、友達だ。
英国に来たら誰でもぜひ立ち寄ってみたいと思うのは、パブである。パブは、日本の喫茶店と居酒屋の役割に似ている。ロンドンにはコーヒーショップは、あまり無い。代わりにいたるところにパブがある。庶民的でアットホームなパブもあれば、きざなパブもある。音楽好きが集まるパブもあれば、食事も楽しめるパブもある。英国人のコミュニケーションは、パブで行われるといっても良い。
会社の近くで、ビジネスや文化について語ることもあれば、一日の疲れを癒すために自宅近くへ帰ってから仲間と語り合うためにもパブは存在する。
皆さんは、英国人がさぞかしスコッチが、好きなんだろうと想像するだろうが、現実は違う。英国人の多くはビールが大好きだ。1パイント(中瓶1本分の量が入るグラス)ずつ、仲間と交代で買って、多い人は6,7パイントを飲み明かす。しかもつまみも無しで、ビールを飲みながら議論し続ける。
2時間も付き合えば、こちらは、もたない。つまみ無しで何時間も立って飲む習慣が無いからだ。
私は、滞在中に、できるだけ英国の習慣に沿って行動するように心がけた。そうすることによって英国のカルチャをある程度理解することができた。郷に入れば郷に従えということわざがあるが、まったくそのとおりだ。一歩だけカルチャに踏み込むことによって、表面や第一印象で違和感があっても理解できることが多い。
表層だけの理解や本に書いてあることは、体験してみるとまったく違うように感じられることがある。自分で確かめることが大切だ。
夜は、毎日毎日、酒ばかり飲んでいたわけではない。夜と音楽も友達だ。ロンドンでのジャズライフを楽しんだ。ロンドンのジャズは、アメリカのジャズとは違った、また別の深みがある。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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