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テレワーク(Telework)


テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用して場所と時間の制約を受けずに働くワークスタイル(働き方)のことを言う。

1970年代に米国でマイカー通勤による大気汚染問題への緩和対策として行われ始めた。その後パソコンや情報通信環境の発展によって大きく普及した。
普及のきっかけとなった契機にはサンフランシスコ地震やノースリッジ地震の際に、本社オフィスがダメージを受けても在宅でパソコンとネットワークで業務を遂行できることが認められ、行政や企業のリスク分散対策として着目されたという経緯もある。

日本では1980年代から企業の実験(三鷹でのNTTのINS実験の1テーマなど)として始められたが、バブル期までは主に都市への一極集中対策として捉えられ、バブル崩壊とともにいったん低迷した。しかし、その後インターネットやノートパソコン、携帯電話の普及によって技術的、コスト的な制約が薄れ、企業労働者が普通に自宅や外出先でメールやWebを使って業務を遂行するようになって再び注目されるところとなった。またさらに企業をスピンオフしたSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)と呼ばれる個人・小規模事業者が現れ、その形態がテレワークの新たな分野として捉えられ、テレワークを一般的な概念として定着させた側面がある。

テレワークが普及するとバーチャル組織やバーチャルプロジェクトが本格的に可能になるので、管理の形態が大きく変ることになる。メンバーが一箇所に集まって、同じ時間仕事をするということでは、時間を単位に管理・評価する方法が可能であった。しかし場所が離れ、労働時間も自由ということになると、成果を中心とする管理・評価に移行せざるを得なくなる。それを制度化したものが、裁量労働制や成果主義評価である。また場所の制約を最も排したテレワークの形態をモバイルワークとすると、オフィスという物理的な空間そのものの持つ意味も再検討されることになる。(共用の机を前提とするシェアードオフィスの導入など)、したがってテレワークは、実はマネジメント全般に大きな影響を与える概念とも言える。

プロジェクトワークにおいてのテレワークの効果は、情報産業などでは十分過ぎるほど認識されている。しかしテレワークへの過多な依存はまた多くの問題も引き起こす可能性がある。それはチームワークの維持やリーダーシップの発揮、場の共有などに、今の技術や人の意識はまだ十分に追随していないからでもある。しかしSOHOなどのように組織に属さないで一人で仕事をしている人達の間では、孤独感というストレスが、かえって顔が見える会議への参加を促進させるというようなことも観察されており、テレワークの功罪はまだ完全には解明されていない。ただテレワークがプロジェクトのある種の作業の効率を飛躍的に向上させることは確かであるので、あとはマネジメント部分での適応や研究が急がれる。

参考 : 日本テレワーク学会

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