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コミュニケーション力は、若いうちに鍛えろ


20年程前に比べると今の若い人の中には、コミュニケーションが上手な人が増えてきている。
20代のうちに複雑で、いろいろな人や組織に関連した仕事をする機会があった人だけが、大きくコミュニケーション力を伸ばすことができる。一方で下手な人の数も同時に増えているようだ。
つまり、若いうちに与えられた機会に積極的に取り組むのか避けるかの差が、その後の能力の差となって表れ、その後は、ほぼ下手な人は下手なままうまくなった人はそのままの状態を定年になるまで維持することになる。
一旦、コミュニケーションを意図的に避ける方法を身につけてしまった人を正常に戻すことは困難だ。私は、避けられない環境を社内に構築すべきだと考えている。
アイ・ティ・イノベーションのスキル診断統計によるとコミュニケーション力やプレゼンテーション力は、20代の若いうちに急激に伸びるが、その後は横ばいになることが分っている。つまり、若いうちに鍛えた水準でその後の能力が決まってしまうということだ。
トップや上級マネジメントの方に申し上げたい。若い社員に仕事を与える際に顧客や関係者の意見を良く聞いて纏めさせる事。自分で纏めた内容をみんなの前で必ず発表させることを意識的にやってほしい。上司は話を聞くのが仕事になる。
この訓練を3年厳しく続けたならば、素晴らしいコミュニケーション力を持つ社員が生まれることになる。
技術や知識ばかり教えても肝心の能力がかけていて、人との会話を避けるような人では、役に立たないだろう。会社とは、仕事を通して人を育てる場所であり、仕事がうまく行けば、少々厳しくても社員は会社を好きになる筈だ。

いろいろ人の育成に悩み試行錯誤していくと、やはり真実は単純で、基礎的なことにじっくり取り組むことになる。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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