「プロジェクト調達マネジメント」は、そのプロジェクトが母体組織以外の外部から物品やサービスを取得する際に、その引合から契約完了までをマネジメントするプロセスである。したがって、そのプロジェクトが外部からそれらの取得を行わない場合はこのプロセスは実行されない。
PMBOKでは「プロジェクト調達マネジメント」を「調達計画」、「引合計画」、「引合」、「発注先選定」、「契約管理」、「契約完了」の6つのプロセスに分けている。
「調達計画」は、プロジェクトのいつの段階で、どのような物品、サービスを、どのように、どれだけ調達するかを計画するプロセスで、スコープ定義のプロセスで行われるべきものでもある。そのアウトプットは「調達マネジメント計画書」としてまとめられる。
「引合計画」は、調達する物品やサービスの要求事項を定義し文書化することと、発注先候補を特定する作業、及び選定のための評価基準を作成することをメインとする。引合計画の結果、「調達文書」が作られ、これは発注先から見積やプロポーザルを得るために使われる。ちなみに「調達文書」は一般には、入札招請書(IFB)、提案依頼書(RFP)、見積依頼書(RFQ)、交渉招請書などと呼ばれることが多い。
「引合」は、発注業者から見積や、プロポーザルなどを実際に得るプロセスで、プロジェクト主体は、このために入札説明会や入札公告、指名などを行う。
「発注先選定」は先のような応募資料などの情報を元に評価基準を適用して実際に納入業者を決定し、契約するまでのプロセスをさす。
「契約管理」は、納入業者の物品やサービスの提供内容や変更状況を、契約期間の間管理するプロセス。また「契約完了」は、物品やサービスのプロジェクト主体による検収や調達監査などを経て契約を受け入れ、終結するプロセスである。
「プロジェクト調達マネジメント」で重要なことの一つには、発注側が、要求事項を明確にするという点がある。そのためには、当然ながらスコープが明確になっていなければならず、それに基づいたできるだけ正確な「調達計画」の作成が必要になる。