PM育成について、私の考えを述べることにする。
3月22日に、経済産業省のIT高度育成事業の成果発表会が、ビッグサイトで、開催された。約20ほどのIT人材の育成事例が発表された。私が、関心を持ったのは、大学の教育が、実践的になりつつあるということだ。20日間程度の民間企業が支援するIT実践教育の単位を大学が認め、民間企業のトレーナが、成績と論文で選ばれた年次がばらばらの受講者に、チーム演習を取り入れた教育を実施する。実施後のアンケートでは、70−80%の人が満足している。大学と受講者の双方が、望んでいることだ。もっと進めるべきである。
IT関連の会社では、PM育成が課題になっているが、殆どの企業が、仕事を通してPMの経験を積む方法でしか育成が出来ていない。いわば素人衆の集まりである。素人同士でサッカーや野球をいくらしても世界レベルは、到底望めない。結果として経験だけはあるが体系的なPMの基礎知識を持ち合わしていない中途半端な人材をPMとして位置付ける。これで良いのだろうか?(体系的な知識が無いのにプロとして認める?)
私は、この成果発表会でPM教育の成果を報告した。PM候補のスキル診断、10日間のワークショップ、10日間のOJT、最終発表会で、4ヶ月程度で実施するPM実践訓練である。4ヶ月間で、22日間の訓練であるが、これでまともなPMが、育成できれば安いものである。PM訓練で重要なのは、コミュニケーション力、リーダシップなどのPMに必要な能力を鍛えると共にPM基礎知識の整理を実施した後にPM実践訓練中心に受講者を鍛え上げることである。PMは、知識ではなく、実行能力である。実務の中で、OJTが、適切に訓練が実施できれば、1−2年でかなりの数のPMを育成することは可能である。多くの企業はこのことに気が付きはじめているが、肝心のPMのトレーナと教材が少ない。やる気があり潜在力のある人を選択し本気で訓練できる機会を提供することが、経営者の使命であると思う
優れたPMが、企業の競争力を高めることは自明である。あとは、経営者の決断だけである。