プロジェクトリーダーに必要なマネジメントスキルは多岐にわたるが、それは基礎となる経営管理的なスキルと、チームを一定の期間内に目標達成させるために特に重要になる一般ヒューマンスキルに分けて考えることができる。
経営管理的なスキルは、企業経営の各分野で必要とされる基礎的な専門知識 及びそれを実行できる能力といえる。専門的領域とは財務、会計、マーケティ ング、組織・人事管理、研究・開発、製造・流通、及びこれらの各分野やそれを統合して事業を推進するための戦略計画、戦術計画、運用計画など立案能力である。
一般的なヒューマンスキルは、組織を率いるための高度な対人対応能力と状 況判断能力などである。それらの代表的なものはリーダーシップ、コミュニケーション力、交渉力、問題解決能力、影響力などが挙げられる。このうちリーダーシップに関してはこのマガジンのテーマの重要なテーマの一つとしていままでもいろいろな箇所で言及されているのでここでは省略する。
コミュニケーション力は、相手に情報を正確に伝えられる能力と、相手の意図を正確に理解できる能力の二つがある。プレゼンテーション能力は前者の代表的な能力の一つである。相手に正確に情報を伝えるためには、まず相手の情報の受容レベルへの配慮や、自分の伝え たい事を体系的に整理して相手に理解しやすく伝えることへの配慮が重要となる。また相手を理解する能力では、これとは逆に、相手の情報伝達能力に依存しないで相手の意図を汲み出すためのヒアリングやインタビューで用いられるような、相手の言っていることを確認し整理して質問するなどのフォードバック的な配慮や、それに必要な主題やポイントの把握力などが必要になる。
ところで最近多いコミュニケーションギャップに、電子メールでのトラブル がある。電子メールでは用件を手短に伝えても場合によっては突っ慳貪な言いように伝わってトラブルになることもある。コミュニケーションにはある程度の冗長さが必要な場合がある。気遣いの言葉一つ加えることで、円滑にこちら の真意を理解してもらえるということもある。ビジネスに於けるコミュニケーションの目的はあくまで相手にこちらの意図を理解してもらうことで、単に相手に情報を発信すればいいということではない。