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サイバーエッセイ 第8回


さて、今回はITIが直面しているプロジェクト管理について述べましょう。 弊社は、お蔭様で設立後、2年8ヶ月を無事に過ごすことができ、お客様とともに成長させていただくことができました。

この3年間で私どもが、お客様と一緒に考え、悩み、プロジェクトを実施した結果学んだことはさまざまです。とにかく、プロジェクト運営は、明確なビジョン、戦略を立案した後は、日々の問題解決とスピード感が重要であり、この得体の知れない性格を持ったプロジェクトを、完全にコントロールするための完全なマニュアル、理論などは、存在しないということです。

プロジェクトを成功させる秘訣は、人間的な要素(社会学的なもの)と技術的な要素の両方をバランスよく使い分けていくことであると考えております。

この3年間のプロジェクト支援活動からプロジェクト管理の実用的な手順、文書、テクニック、ツール利用ノウハウ、トレーニングなどのいわゆる「ハード面」(方法論・ツール)については、高いレベルで整理することができ、多くのお客様に実務で利用いただいております。

良いハードが用意できても、実際のプロジェクトマネジャやリーダー、メンバーがプロジェクトの成功を信じて活用すること、つまり「ソフト面」の定着に、時間がかかります。

この領域で、ITIのコンサルタントとお客様が一緒になって悩み、問題を発見し、解決するプロセスを踏んで、お客様が納得し、体で理解することがもっとも大切で価値のあることであると考えております。問題解決のプロセスを共有することで、お客様の能力(コンピタンス)を高められることを実感しております。

一度、能力アップした個人や組織は、レベルダウンすることはありません。このあたりが、コンサルタントの生きがいなんです。特に、弊社が、コンサルティングを実施していく中で、必然的にウエイトが、高くなっている部分がプロジェクト管理です。

最近ITIが、関わっているプロジェクトの例とそのプロジェクトの課題を示し、解決の道を考えたいと思います。

  1. 電力会社のシステムのJava/oracleでの再構築
    (対象範囲だけでも4-5000人月を3年で実施する)
  2. 世界的な海運会社の基幹系システムのJava/oracleでの再構築
  3. 外資系流通業のe-commerceの開発と継続的な改良

これは、ITIの支援しているプロジェクトの一例にすぎませんが、世の中のプロジェクト全体の動きと特徴を表していると考えております。

  • WEB系のテクノロジーを基幹システムとして利用する時期が来た
  • 技術は、利用可能な水準に達しているが、利用者が、利用方法を理解していない(どのような方法で利用可能にするのか分かっていない)
  • リスクの認識が、無いか弱い ・納期は、以前のプロジェクトに比べると短い
  • 開発方法論は無いか、あっても古いウォーターフォール型のもの
  • もちろんプロジェクト要員は、スキルが不足している
    (どちらかといえば、ソフトスキル)

根本的な解決策は、

  1. トップマネジメントの状況認識と理解
  2. プロジェクトマネジメント能力の増強
    (足らないスキルを是とし、ストレッチしながらプロジェクトを推進する勇気と精神構造・カルチャーを作る-これは、きわめて重要で、原因は、家庭の教育や教育制度にまで遡る-)
  3. 綿密な計画プロセスの実施
    (戦略的、創造的計画作業をプロジェクト中核メンバーで実施する)
  4. プロジェクト体制の明確化
  5. リスク管理強化
  6. プロジェクトを走らせながら、プロジェクトとは、戦略的、創造的な作業であることをメンバーに実感させ、OJTトレーニングをする
    (コーチーングやナビゲーション)
  7. プロジェクト進捗管理(主には、スケジュール、コスト、要員管理)の合理化とあらたに、問題管理、リスクモニタリングの実施、つまり、ツールを使った合理化された短時間で、きめの細かい管理を実施する。事後管理ではなく予測的、予防的管理をおこなう。
  8. 開発タスクの強化(OOやDOA手法の適用)とベンダー・パートナーのコントロール
  9. プロジェクト評価の実施正しいハードを目の前にあるプロジェクトに適用し、体験し、能力アップした組織こそが生き残ります。

これからの2-3年を、意識的に取り組むかどうかで、着地点は、まったく変わってしまうでしょう。

ITIでは、顧客へのプロジェクト支援を、プロジェクトのあらゆる段階から実施できるノウハウを有しております。私どもが、たとえ、テスト段階から参画したとしても既存のプロジェクトメンバーを強化する体制で、テスト工程、プロジェクト評価の実施を行います。第三者の立場で変革に繋がる重要な提言をさせていただきます。

革新(イノベーション)とカルチャーチェンジは、ITIのメイン・テーマです。私どもは、実戦とともにこれらのテーマに関する解決策を追求しています。最後に、私のこのような気持ちを、ITIの理念として表わしている事についても再度、皆様にご紹介したいと思います。

<<IT Innovationの企業理念>>

IT Innovationは、日本で唯一の情報システムの変革を専門にするコンサルティング会社です。情報システムのイノベーションとは、エンジニアリング技術を適用して情報システム・ライフサイクル全域の・品質・期間・コストとモラルのリニューアルを実現することである。

顧客第一主義に徹し、顧客とベンダーの距離を完全に埋める役割をします。

IT Innovationの5つのキーワードを大切にします。

Heart (あったかい心) Challenge(終わり無き挑戦)

Commitment(約束) Enablement(実現化・具現化)

Innovation(質・スピード・コスト・文化の革新)

2001年3月6日

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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